生前贈与#14Photo:PIXTA

中小企業経営者が事業承継を検討し、生前贈与しようとしても多額の税金がかかりがち。そこで検討したいのが、納税猶予の範囲が拡大した新・事業承継税制の活用と、自社株評価を大きく下げられる航空機リースだ。特集『生前贈与 駆け込み相続術』(全19回)の#14では、その方法を詳述する。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月18日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

中小企業オーナーを悩ます自社株対策
緩和された事業承継税制が有効

 中小企業経営者にとって頭の痛い後継者問題。運良く後継者が見つかっても、自社株の譲渡などに伴い多額の贈与税がかかってしまう。

 そこで2009年、中小企業の税負担を軽くするために事業承継税制が導入された。だが、株式の全額が猶予対象となるわけではないなど条件が厳しく、利用者は一向に増えない状況だった。

 それらの厳しい条件に対する不満の高まりによって、18年4月に10年間の特例措置として条件を大幅に緩和した「特例事業承継税制」を導入、今では利用者が大きく増えるに至っている。

 では、その気になる特例制度の中身とはどういったものなのか。はたまた、この制度が利用できない場合にはどういう手法があるのか。次ページ以降で、詳述していこう。