20年以上にわたり、のべ6000件以上の家を片づけてきた「片づけのプロ」、seaさん。家事代行マッチングサービス「タスカジ」では「予約が取れない家政婦」と呼ばれている。「1回来てもらっただけで、その後もずっと片づいた状態がキープできる」と口コミで人気に火がつき、テレビ「セブンルール」にも出演するほどの話題の人だ。
そんなseaさんの片づけ術の集大成が、新刊『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。ーーいちばんシンプルな「片づけ」のルール』seaさんが20年かけて導き出した結論は、家が散らかる原因はすべて「めんどくさい」のせいだということ。そしてその「めんどくさい」をなくせば、どんな家でも片づいて、しかもリバウンドしないという。一体どういうことなのか? 本書より一部を特別に公開するこの連載。今回は、大掃除で張り切って片づけをしたのに、年明けには早速家が散らかっている「理由」について紹介する。

大掃除をしたのに、あなたの家がすでに散らかっている理由Photo: Adobe Stock

「めんどくさい」は最強の敵

 人間は、「めんどくさい」に逆らえない。私が20年以上片づけを続けてたどり着いた結論です。「めんどくさい」に逆らえる人はいません。

 なぜ「めんどくさい」に勝てないか。それは、日常生活のなかで片づけに割けるエネルギーは自分が思っているよりずっとずっと少ないからです。

 この「自分の感覚」と「現実」の認知のギャップがやっかいなのです。ほとんどの人は片づけの最中はやる気マックスで、「これからはちゃんと片づけて、すっきりした収納にしよう!」と思います。でもそれは未来の自分を買いかぶっている状態。やる気のある「今」がずっと続くと錯覚しています。ここで手間のかかる「めんどくさい」収納を選んでしまうと、必ず失敗します。生活が始まると片づけへの「意識」は切れてしまうからです。

 人生には仕事、子育て、健康など、意識しなければならないことがたくさんあります。そのなかで片づけの優先順位はとても低いもの。忙しい毎日のなかで、片づけに気を配りつづけることなんて不可能です。

 目指すべきは、「頑張っていないのに、なぜか片づいたまま」の家。片づけへの「意識」が切れた状態でも片づけられてしまうほど、簡単で、エネルギーを消耗しない、「めんどくさくない」しくみが必要です。

 人生には、ほかに大事なことがたくさんあるので、片づけは頑張らなくていいんです。

わがままになるほど、得をする

 あるファシリテーター(ざっくり言うと、会社の問題解決の専門家)の方が書かれた本に、こんなことが書いてありました。

「自分がどれほど居心地悪く冷たい感じの場所にいるか、ほとんどの人が自覚していない。自分にとってはそれが普通であり、その場所しか知らないから」

 これは会社の話ですが、一般家庭でも同じことが言えると思います。多くの人は自分の家しか知らないので、居心地が悪くても「こんなもんかな」とスルーしてしまうのです。

 そんな状態から抜け出すために、あなたには「めんどくさい」に敏感になってもらいたいと思っています。とことん自分に甘くなってほしいのです。片づけをするときにイメージするのはハツラツとした自分ではなく、いちばんダメな状態の自分にしてください。何に対してもやる気が出ない、忙しくて疲れてヨレヨレ……そんな自分を想像します。

 そして、思いっきりわがままになって「こんなの、めんどくさい!」とたくさん言いましょう。普段から家や収納で我慢していることはないですか? 片づけのときにストレスに感じることはないですか?

「洗濯物をしまうのがめんどくさい!」
「食器をしまうのがめんどくさい!」
「片づけは、ある程度ためてやっつけるくらいがいい!」
「捨てるのがイヤだ!」
「家族のなかで、自分ばかりが後始末に追われるのはイヤだ!」

 いいですね! そうやってどんどん吐き出しましょう。頭の中に一度、めんどくさいに気付く回路ができると、一生ものです。それを生かせば「ものすごく暮らしやすい!」という感動がすぐに得られ、手応えを感じていただけます。