多くのビジネスパーソンの支持を集める、登録者60万人超えの「サラリーマンYouTuber」、サラタメさん。
注目の処女作『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』は600ページ超えの超大作で、まさに“鈍器本”だ。
「仕事がデキない」「残業だらけ」「上司とソリが合わない」「転職したい」「老後のお金が不安」といった、人生100年時代を生きるサラリーマンの悩みを、まるごと解決してくれる本書から、その一部を抜粋して紹介する。

【あえて読まない読書術】<br />登録者60万人超え! 書籍解説YouTuberサラタメの“時短読書”Photo: Adobe Stock
〈結論〉
・本の文字をすべて読み切ることに意味はない
・実際の行動が変わることにこそ、読書の価値がある
・「インプット(読書)3:アウトプット(実践)7」が目安
・サラタメ式時短読書術
 1.悩みに合わせて本を選ぶ
 2.攻略したい部分だけ読む
 3.実際に試してみる

サラタメ:時短スキルの番外編として、読書術についても解説しますね!

マモル:え~、別にいいですよ! それこそ忙しくて、あんま本とか読めないので(笑)。

サラタメ:まぁ、たしかにめんどくさいですよね。でも私は逆に、読書をしたからこそ読書時間がひねり出せた気がするんですよ。

マモル:「忙しい」と言い訳して、読書で知識を仕入れないと、忙しいままになっちゃうってことですか。でも、数百ページとかあって、一冊読むだけでも、めちゃくちゃ時間かかるじゃないですか~。

サラタメ:いや、私は一冊2~3時間しか読まないですよ。ビジネス書は、ゲームの攻略本みたいなもんです。全部読まなくてOK。自分がクリアしたい場面だけ読めば、それでいいんです。

マモル:え、全部読まなくていいんですか? でも、なんかそれはそれで、もったいない気がしちゃうんですよね(笑)。

サラタメ:そこは、ゴリッと意識を変えたほうがいいです! 一冊まるごと読破することに意味はないので。大事なのは、マモルさんの行動が、一つでも変わること。そうすれば、十分、書籍代の元は取れてることになりますよ。

全部読まない! サラタメ式時短読書術

サラタメ:結論、次の3ステップです。小説やエッセイではなく、ビジネス書に特化した読書術です。そこだけご注意ください。

1.悩みに合わせて本を選ぶ
2.攻略したい部分だけ読む
3.実際に試してみる

1.悩みに合わせて本を選ぶ

 まず大前提として、読むべき本とは、あなたの「悩みを解決してくれる本」です。

 当然、読むべき本は人それぞれ。次のような理由で本を買っても、あまり意味がありません。

・なんか話題作らしいから読んでみよう
・上司に「これ読んで勉強しろ」と言われた
・意識高い系の友人に「この本を知らないのは恥ずかしい」と言われた

 自分の悩みに合った本でなければ、読み進める気が起きない。行動に変化が起こらないのも当たり前です。

 自分の悩みを一番よくわかっているのは自分なので、自分の感覚を大事に本を選ぶようにしましょう。

・書店のいろいろな棚を眺めながら、うろついてみる
・自分の悩みをキーワードとして、ネット検索してみる
・自分の悩みを具体的に理解できる読書好きに聞いてみる

サラタメ:変にカッコつけて、分厚い専門書を選ばないようにしてください。最初は「入門書」「マンガでわかるシリーズ」など読みやすいのがオススメです。

2.攻略したい部分だけ読む

 悩みを解決し、行動を変えるために本を読むわけですから、自分の悩みに関係する部分だけ読めばOK。一字一字みっちり読む必要はありません。

 まずは、「著者プロフィール」「はじめに」「おわりに」を読みましょう。

 そこだけ読めば、著者がどんな人で、この本はどんな考えで書かれたものかわかります。

 実際に本を買う前に、書店店頭でそのあたりを押さえておきましょう。

 この段階で興味が持てなければ、買うべきではありません。

 もし興味を持てたら、「もくじ」をチェック。もくじから、自分の悩み解決に直結する部分だけ読んでみます。

 ゲームの攻略本でも、自分の攻略したい場面しか見ませんよね。それと一緒です。300ページくらいの本でも、今の自分に深く関わる部分は多くて15ページくらいです。それで全然OKなのです。

サラタメ:「1時間に300ページ読めます!」という速読自慢に意味はありません。集中して読むべき(悩みに直結する)箇所を、的確に特定できるほうが、よっぽど大事です!

3.実際に試してみる

 結局は、このステップが一番大事です。

「ビジネス書の活用」では、本を手に取って読んでいるときより、その知識を現場で試すことにこそ価値があります。読書に1時間かけたら、実践に3時間以上かけないともったいない。目安は、インプット(読書)3:アウトプット(実践)7のイメージです。

〈例〉
『エッセンシャル思考』から得た知識
「パレートの法則」によれば、本当に重要な仕事は2割ほどになる。8割を捨て、2割に注力することで、仕事のパフォーマンスが上がる。

現場での実践
 自分の仕事の中で「ムダかもしれないもの」はどれか? 試しに仕分けしてみよう。
 仕分けをしたうえで、今日から1ヵ月、重要な2割の仕事に意識的に注力してみよう。

 上の例を見ていただければわかると思いますが、職場で実際に試せる知識はそう多くありません。

 いろいろ同時に試しすぎても、混乱するだけです。「元を取ろう」と、書籍から欲張って吸収しすぎないよう気をつけてください。

サラタメ:現場で実践できる知識をピンポイントで得られれば、その本の役割は十二分に果たされたことになります。本のすべての文字を読み切ることに、なんら意味はありません!

(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)

〈まとめ〉
・本の文字をすべて読み切ることに意味はない
・実際の行動が変わることにこそ、読書の価値がある
・「インプット(読書)3:アウトプット(実践)7」が目安
・サラタメ式時短読書術
 1.悩みに合わせて本を選ぶ
 2.攻略したい部分だけ読む
 3.実際に試してみる