5度目の緊急事態宣言は回避できるか?オミクロンを迎え撃つ4つの柱Photo:PIXTA

年が明け、国内の新型コロナウイルス感染者数が増加し始めている。懸念されるのは、欧米で猛威を振るっているオミクロン株が感染拡大を加速させることだ。コロナとの闘いは間もなく3年目に突入し、対策の最適解は変わり始めている。(ナビタスクリニック理事長、医師 久住英二)

オミクロン株との闘い方は?
5度目の緊急事態宣言を回避できるか

 いよいよオミクロン株が猛威を振るうのか。年明け早々、再び国内の新型コロナウイルス感染者数が急増の兆しを見せている。東京都でも今月3日には1日当たり感染者数が100人を超え、うち25人はオミクロン株と確認された。市中感染も11人に上ったという。

 猛烈な勢いで世界に広がるオミクロン株だが、昨年末から出そろい始めた研究結果は、私たちの不安をそれなりに和らげてくれそうだ。

 昨年12月31日、英国の保健安全保障庁(UKHSA)は、オミクロン株とデルタ株の患者それぞれ50万人超を対象とした研究結果を報告した。研究では、以下のことが分かったという。

●オミクロン株の入院リスクは、デルタ株の3分の1程度にとどまる。
●ワクチン3回接種は、未接種に比べ、オミクロン株の入院リスクが81%低下する。

 英国では新規感染者が過去最多を更新中で、1日当たり18万人超となっている。一方で、入院者数および死者数は増加し始めてはいるが、本稿執筆時点では昨年11月頃の水準と大差なく安定している(Our World in Data、1月4日参照)。