企業悶絶!インフレ襲来#5Photo:PIXTA

利益なき繁忙に追われる建設業界。そこに世界的な資源インフレが直撃した。特集『企業悶絶!インフレ襲来』(全13回)の#5では鋼材や木材などの建設資材高があらわにした、建設業界の「問題体質」を伝える。待ち受けるのは、東日本大震災後の再来だ。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

世界的な資源インフレで
ゼネコン「問題体質」あらわ

 アイアンショック――。そんな表現まで飛び出るのが、昨年来の鋼材価格の推移だ。鉄鋼は2021年前半の鉄鉱石価格の高騰、同後半の石炭価格の高騰を受けて高値で進行。これを背景にH形鋼、厚鋼板といった主要な建設用の鋼材が軒並み値上がりしており、その水準はリーマンショック前に迫っている。

 また鋼材同様に木材も価格上昇しており、こちらはウッドショックとも呼ばれている。世界的な資源インフレを受けた資材高の結果、建設資材物価指数は直近の21年12月、総合で124.7に達し、17カ月連続のプラスとなっている。

 この資材高が、ゼネコン業界をさいなまないはずはない。建設資材の高騰は、インフレ以前からのゼネコンの「問題体質」をあらわにする激烈な作用をもたらしている。