神社で鳥居や注連縄に触ってはいけない理由鳥居の注連縄の内側と外側にあるものとは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新年を迎え、気持ちも新たになるお正月。初詣に行ったり、おせちやお雑煮を食べたり、門松を飾ったりした方も多いのではないでしょうか?日本には様々な行事やしきたりがありますが、じつはその裏で禁忌とされるものも多くあるのです。そこで今回はテレビ出演なども多く著名な民俗学者の新谷尚紀さん監修の『日本人の禁忌』(青春文庫)からお正月に関する項目を抜粋、紹介します。

正月に○○をすると、
神様を追い払ってしまうという禁忌

「一年の計は元旦にあり」という諺にあるように、みなが新しい年をよい年にと願うのが正月である。元来、正月には、「年取り」の意味があった。年をとるといえば、現在は誕生日に年をとる満年齢が一般的だが、かつては正月がくるとみんなでいっせいに年をとる数え年というのが一般的だった。数え年というのは文字通り、年玉の数、たましいの数で年齢を数えるという方法であった。

 また、正月には歳神様という神様を祀った。ゆえに、正月には掃除をしてはならないという禁忌も存在する。せっかく神様がきてくださっている時期に追い払うようなことはしてはならないのだ。歳神様の司祭者である年男は、主に家長が行ない、正月中の炊事などをしなければならなかった。つまり、女性は正月には炊事をしてはいけなかったのである。