経営者に評価される部長と、評価されない部長を分ける「3つのスキル」の差写真はイメージです Photo:PIXTA

職位が上がれば上がるほど、経営者に評価されるかどうかが、ビジネスパーソンとしての行く末を左右する。しかし経営者に合わせてばかりいては日和見になってしまう。ただ、かといって逆に合わせなければ対立が生じてしまうリスクもある。そんな迷える管理職こそ、価値観を変えずに、経営者に評価されやすくなる「3大スキル」を身に付けてほしい。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

八方美人にならず
対立もせずに経営者に評価される「3大スキル」

 上司に評価されるかどうかは、ビジネスパーソンの最大の関心事だ。それも、職位が上がれば上がるほど、直属の上司の評価にその後のキャリアが左右されやすくなる。

 例えば、係長時代は、「この課長は評価してくれないが、別の課長は評価してくれる」「この係で認められなくても、次の異動先で評価されればよい」という機会を得やすいが、部長になると、担当役員の評価のウエートが大きく高まる。

 ただ、そこで気に入られようと、担当役員の顔色をうかがってばかりいては、八方美人、優柔不断の烙印(らくいん)を押されてしまう。かといって、自らの価値観を主張してばかりだと、担当役員と衝突して、嫌われかねない。特に、長年君臨してきたベテラン経営者やオーナー経営者など、いわゆるワンマン経営者にいかに評価されるかは、部長になると避けて通れない命題だ。

 経営者と部長との間で価値観が一致していればよいが、そうでない場合でも、価値観の異なる経営者と衝突をせずに、評価されるようになる方法はあるのだろうか。

 このように申し上げると、「相性の問題なのでどうしようもない」「下が上に合わせるしかない」「ワンマン経営者の下にイエスマンの部長が集まるのはどうしようもない」という諦念が聞こえる。

 しかし、私はそうは思わない。国内外自動車メーカーの役員・管理職と経営実践力向上プログラムを実施してきた中で、価値観をねじ曲げずに、なおかつ、上司に評価されやすくなる「3大スキル」がある。

 そのスキルさえ発揮すれば、やみくもに経営者に迎合したり、逆に対立したりせずに、建設的な議論を積み重ねることができるようになり、経営者に認められやすくなる。この3大スキルを発揮できるかどうかが、経営者に評価される部長と、評価されない部長の決定的な差なのだ。