NTTは取引先の“人権順守”チェック、日本企業が逃れられない「サステナビリティDD」Photo:PIXTA

NTTグループが開始
耳慣れない「人権DD」

 NTTグループは2021年末、自社グループの調達網に人権を侵害する企業が紛れ込まないよう、取引先に対する「人権DD(人権尊重の側面から行うデューデリジェンスあるいは監査)」を2022年度から開始すると報じられた。

 報道によると、同グループは、国内外の大口調達先を中心に年間40~50社を訪問し、各社の人権順守に対する取り組みを直接確認するという。不備があれば、取引停止を含め厳しい姿勢で臨むとも報じられている。

 M&Aが日常化する中で、デューデリジェンス(DD)という言葉は、企業経営の世界で一般化した。DDとは、M&Aを執行する際などに、事前に行われる対象企業の監査・調査を指す。法務、財務、税務、不動産、ビジネスといった観点で行われ、それぞれ法務DD、財務DDなどと呼ばれる。

 NTTグループが新たに開始する人権DDは、日本企業にとって耳慣れない言葉かもしれない。具体的には、取引先あるいはその関連企業に、強制労働や児童労働などの人権侵害の恐れがないかという観点から調査することを指す。