株式投資で資産を築き、入社4年目の26歳でFIREを果たした『投資をしながら自由に生きる』の著者が、最速で「お金と時間の自由」を得るための方法を伝授する。その方法は、一般的なFIREとは、まったく別の概念だ。FIRE達成者の多くは、いずれ何らかの仕事をするようになる。ひと通り自由を味わうと暇を持て余してしまい、社会とのつながりを得るためにも、結局は仕事をするようになるのだ。ならば、最初から時間と場所に縛られない自由度の高い仕事をしつつ、経済的自由を謳歌する方法を選択するべき。本当の自由を最速で得るたった1つの方法、それは「投資×小さな起業」だ。

ノートパソコンPhoto: Adobe Stock

「お金と時間の自由」をどうやって手に入れたのか?

私自身が「お金と時間の自由」を手に入れたプロセスを7つのステップから順を追って紹介していきたいと思います。

その7つのステップは、次の通りです。

STEP 1 大学生のときに投資をはじめる
STEP 2 ベンチャー企業でビジネスを学ぶ
STEP 3 会社を辞めてビジネスオーナーになる
STEP 4 ビジネスの失敗から学ぶ
STEP 5 新たなビジネスオーナーになる
STEP 6 複数のビジネスオーナーになる
STEP 7 「本当の自由」を手に入れる

STEP1 大学生のときに投資をはじめる

私は大学生の夏休みに、ちょっとした暇つぶしの延長で投資をはじめました。

最初は「暇つぶしにもなって、うまくいけばお金も増えて一石二鳥!」という本当に興味本位の軽い気持ちでした。

投資に関する知識は完全にゼロ。投資の勉強をしたこともなく、映画やドラマでモニターを並べて投資しているシーンを見たことがあるくらいだったのです。

まずはネット証券に口座を開設して、銀行間の送金と同じ要領で証券口座に30万円を入金しました。当時、家庭教師のアルバイトで貯めたこのお金は、ほぼ私の全財産だったと記憶しています。

最初に手を出したのはFX(外国為替証拠金)取引でした。

FXは、ドルやユーロ、ポンド、円といった各国の通貨を売買し、その価格変動や金利の差を利用して、利益の獲得を狙うというものです。

何もかもがはじめてのことで、注文画面の操作方法すらわかりませんでした。

「最初に買うなら、とりあえず王道のドルだろう!」と思い、ドル/円の買い注文をしてみました。

注文画面に数字を入力する枠があったのですが、これもよくわからなかったのでとりあえず「10」という数字を入力して、買うボタンをポチッと押しました。

ついに、これで投資デビューを果たしました。

実はあとになって、この数字を入力する枠の単位が「万ドル」というのを知って驚愕しました。

たった30万円の証拠金で、10万ドル(1000万円以上)を買っていたのです。

いま思えば、そんな基礎的なことも知らずに投資するなんてありえないのですが、当初は何がわからないかすらわからない状態だったので、しかたがありません。

そんな無知な状態で投資をして当然勝てるはずはなく、お金が増えたり減ったりした末に、たった2週間ほどで最初に入金した30万円をすべて溶かしてしまいました……。

当時、大学生だった私にとって30万円は相当な大金です。

ふつうの感覚であれば「もう二度と投資なんてやらない!」と思うことでしょう。

しかし、どういうわけか私は、「2週間で全額失ったってことは、逆のことをやれば2週間でお金が倍になるってことだ!」と考えたのです。

そして、「これはちゃんと勉強をしないとダメだ」と本などを買って、そこから投資の勉強をするようになりました。

このように投資のデビュー戦は大敗しましたが、大学生という早いタイミングで投資をはじめたこと、そして最初の失敗をきっかけに投資の勉強をはじめたことは、私の人生において非常に大事な分岐点になりました。

大学生にとっての30万円はたしかに大金ですが、資産が大きく増えて、たとえば1000万円になってから投資をはじめて全額溶かしてしまったら、立ち直るのが難しいでしょう。

そう考えると、最初に30万円を失った経験というのは、長い目で見れば非常に価値のある経験だったのです。

なるべく早いタイミングで投資をはじめて、早く多くの失敗を経験したほうが、そのあとで資産が増えたときに同じ失敗をするリスクが低減されます。

投資のデビュー戦で大敗したあとも、独学で投資の勉強をしながら、アルバイトでタネ銭をつくり、それを投資するということを繰り返していました。

とはいえ、大学生がアルバイトで稼げる金額は限られるため、投資して得られるリターンはたかが知れています。

そのため、大学在学中に大きく資産が増えたわけではありませんでした。

それでも大学時代に投資をはじめたことが、のちに私が資産を大きく増やすための最初の大事なステップになったことはたしかです。