東証再編が誘発!上場廃止ラッシュ#2Photo:PIXTA

東証再編で最上位になるプライム市場で、上場廃止を回避する最難関は、流通株式時価総額100億円以上の基準だ。流通する株式を増やし、なおかつ業績を上げて株価を上昇させなければ、この必達目標をクリアできない。特集『東証再編が誘発! 上場廃止ラッシュ』(全15回)の#2では、結婚式場やふぐ料理専門店など、基準を大きく割り込んだ絶望企業をランキングであぶり出した。著名コンサルタント、大前研一氏の会社も22位に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

上場廃止の可能性が高い企業はどこか
大前研一氏の会社が22位にランクイン

 東京証券取引所の4月の市場再編で、最上位となるプライム市場の上場維持基準は、現在の東証1部よりも、ずっと厳しくなった。

 これらの基準を満たしていないのに、背伸びしてプライム市場への残留を希望した東証1部上場企業は、296社に上る。彼らは東証に、基準到達に向けた計画書(改善計画書)を出すことで、一時的にプライム上場企業であることを許された、いわば「猶予企業」である。

 猶予企業は自ら期限を区切って、売り上げを伸ばしたり、株式の持ち合いを解消したりする計画書を示し「この時期までに必ず基準をクリアする」と宣誓したのだ。これは必達目標で、守れなかった企業は上場廃止の憂き目を見る。

 数ある上場維持基準の中で最も厳しいのが「流通株式時価総額」だ。上場株式数から、大株主の持ち分や政策保有株を除いて計算される。プライム市場では100億円以上が求められるが、流通する株式を増やし、業績を上げて株価を上昇させなければ、この必達目標には届かない。

 実は、これまで東証はプライム猶予企業の流通時価総額や、その計算の前提となる流通株式比率について公開してこなかった。各社が2021年12月末までに開示した改善計画書の中で、初めてこうした数値が明るみに出たのだ。

 そこでダイヤモンド編集部は、全ての改善計画書に目を通し、大量の数値を手作業で拾い上げ、独自ランキングを複数作成した。そこから浮かび上がってきたのは、上場廃止回避に向けた必達目標にもかかわらず、仮定に仮定を重ねた各社の計画の非現実性である。

 今回は「上場廃止危険度ランキング【プライム市場200社】」をお届けする。ワースト1位の結婚式場を運営する企業は、必達時価総額の2割未満という絶望的な状況に陥っている。著名コンサルタント、大前研一氏が創業し、会長を務める企業は22位に入った。詳細を見ていこう。