「グッドサイクル」を生む4つのポイントPhoto:PIXTA

前回(『役職定年後にやる気をなくす社員と、意欲高くいられる社員の決定的な差』)は、シニア社員の意欲低下が起こる背景には「バッドサイクル」があると説明した。では、シニア社員の意欲を高めるためにはどうすべきなのか。今回は「4つのメソッド」を解説する。(リクルートマネジメントソリューションズ 星野翔次)

シニア社員の意欲を高める
「4つのメソッド」とは

 前回のコラムでは、意欲の低いシニア社員と高いシニア社員の特徴について、サイクル図を用いて解説いたしました。本稿では、シニア社員の意欲を高める4つのメソッドをご紹介いたします。

(1)シニア社員と上司で相互理解をする

 一つ目に重要なのが、シニア社員と上司の相互理解です。

 前回(『役職定年後にやる気をなくす社員と、意欲高くいられる社員の決定的な差』)、意欲の高い社員においては意欲を高める「グッドサイクル」が働いていると指摘しました。そうしたグッドサイクルをつくる上で最初の鍵となるのが、シニア社員が「参加している実感」を得ることです。そのためには、どういう活躍を期待しているのか、今後のチームのあり方についてどう考えているのかなど、シニア社員と上司がそれぞれの考えをきちんと共有し合うことが欠かせません。

 具体的には、上司自身の仕事観、シニア社員に対する思い、助けてほしい領域などを、上司から自己開示することをお勧めします。そして、シニア社員に役割や属性ではなく、一人の人間として向き合いましょう。シニア社員の強み、持ち味、仕事上のこだわりを聞く、見つけることに加え、プライベートにも関心を向けるのです。

 最後に、シニア社員の持ち味・強みが発揮でき、若手と交流できる出番を意図的につくりましょう。例えば、シニア社員の持ち味・強みが生かせる役割やプロジェクトにアサインすることが考えられます。具体的な実施場面としては、期初にあるキャリア面談や目標設定面談の場を活用すると良いでしょう。