どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるため、生き残れる投資家になるために必要なクリエイティングアルファ(新しい価値をつくる)という斬新な視点が学べると好評の『ハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)。不動産投資のクリエイティングアルファの秘訣を探る対談記事の第2回。対談ゲストは、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス 代表理事の木下斉さん。地域再生事業家として、これまで数多くの地域活性化プロジェクトにかかわってきた木下さん。今回は、衰退した地域をどう活性化するか?
そのための不動産戦略とは?
不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、地域活性に不動産メカニズムをつかってかかわりたい人、さらに上を目指したい人必読。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。

衰退するエリアを活性化し、街の付加価値を上げる不動産戦略とは?Photo: Adobe Stock

保育園ができて、パワーカップルが増えた!

上田真路(以下、上田) 先日、保育園から始まるまちづくりの第一人者である松本理寿輝さんという方と「まちの保育園」づくりについて対談をさせていただきました。場所は、東京・練馬区の小竹向原です。地主の方に土地を提供していただいて、そこに上物を作って、彼らが家賃を払っていくということなんですけど。これができると、やっぱりパワーカップルみたいな方々が、お子さんをその保育園に行かせたいなって、いうふうになりまして…。

木下斉(以下、木下) なるほど。

上田 そうするとその土地を提供した地主の方が、またいろいろマンションを持っていたらしいんですけど、保有しているファミリータイプのマンションがもうほぼ100パーセント稼働して、ひっきりなしにパワーカップルが入ってくれるという、嬉しい状態になったみたいです。

木下 やっぱり教育は強力なコンテンツですよね、アメリカも2004年ぐらいに僕が行ったときに、ニュージャージー州のウエストフィールドという3万人ぐらいの小さい街が再生した話が、当時すごい全米で有名でした。紹介してもらって見に行ったら、すごい郊外都市なんですね。戦前からあるようなアメリカ住宅みたいなのが、いっぱい立ち並んでるような、結構レトロな街でした。

 今の話と同じように、ファミリー向けの住宅しかない街なのに、ファミリーが全然来ないって話だったのです。なぜかと言ったら、やはり学校の問題でした。それで、ウォールストリートで働いていたけど、子育てを機に辞めた女性をマネジャーに採用して対策をしようとなって。自分たちの不動産価値がどんどん落ちていくから、それをどうにかしなきゃいけないというので、街の関係者がみんなでお金を出しあって、そのマネジャーを採用したのです。

上田 そうだったのですね。