絶頂トヨタの死角#予告Photo:Chanchai Duangdoosan/EyeEm/gettyimages

トヨタ自動車が絶頂期を迎えている。半導体不足による減産にもかかわらず2022年3月期決算は過去最高益水準で着地する見込み。業績堅調とEV(電気自動車)大攻勢プランをぶち上げて、時価総額40兆円を射程圏内に入れ、名実共に世界一の自動車メーカーに躍り出た。だが一方で、王者のトヨタらしからぬウィークポイントが現場で一気に噴き出し始めている。車検不正、度重なる減産修正、販売店個人情報の不適切使用、ミドル人材の流出――。不始末を誘発する「組織の病巣」の正体とは。2月14日(月)から配信する特集『絶頂トヨタの死角』では、絶対王者の急所に迫る。

#1 2月14日(月)配信
トヨタ社長「腹心10人体制」の誤算、“豊田本家”至上主義が招くガバナンス不全

絶頂トヨタの死角#1Photo:Bloomberg/gettyimages

 血は水よりも濃し──。トヨタ自動車の創業家、豊田家が経営への支配力を急速に高めている。あえて“トヨタムラ”のフィロソフィーや流儀を貫くことで社員の求心力を維持し、形式的なグローバル経営とは一線を画しているようにも映る。だが近年、豊田章男社長による独裁の弊害が「現場のひずみ」となって噴き出すようになってきた。電動化・脱炭素化により、折しも自動車業界はモビリティの価値が一変する大動乱期に突入したところだ。もはやトヨタの敵は、自動車メーカーだけではない。ITジャイアントであり、テスラであり、あらゆる水平分業プレーヤーである。常勝集団トヨタに、乗り越えたことのない高い壁が立ちはだかっている。

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#2 2月14日(月)配信
トヨタ「御曹司の世襲前提人事」の内幕、恣意的登用と冷遇で東大卒・エース人材が流出ラッシュ

絶頂トヨタの死角#2Photo:picture alliance/gettyimages

 トヨタ自動車の豊田章男社長は役員の若返りや、組織の階層を減らすフラット化などの改革を行い、自身に権限を集中させてきた。「自動車業界の100年に1度の変革期」を生き抜くため、迅速な経営を可能にすることが大義名分だった。だが近年、長男の大輔氏が経営の表舞台に立つようになって以降、社内では「改革は豊田家の世襲のため」と見る向きが多くなり、中堅人材の流出が相次いでいる。章男氏による中央集権化は時代の要請か、組織の私物化か──。“豊田流人事”の内実に迫る。

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#3 2月15日(火)配信
トヨタEV8年後に350万台の衝撃試算、売上50兆円でも利益は「ハイブリッド車」に依存

絶頂トヨタの死角#3Photo:REUTERS/AFLO

 満を持して、トヨタ自動車が「2030年にEV(電気自動車)350万台を販売する」大方針を掲げた。トヨタはこの大本営発表をもって「EVに及び腰」という世間の認識を払拭したい構えだ。それでもトヨタにとって、EVシフトはガソリン車やハイブリッド車(HEV)で極めた「勝ちパターン」を自ら取り下げるようなものである。EV350万台を達成した時点のトヨタの業績を大胆に試算し、EV大攻勢へ舵を切るトヨタの苦悩に迫った。

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#4 2月15日(火)配信
トヨタ御曹司主導のウーブン・シティ、“実験”都市なのに失敗は許されずコンサル頼みの内実

絶頂トヨタの死角#4Photo:picture alliance/gettyimages

 トヨタ自動車の豊田章男社長が目指す「自動車会社からモビリティカンパニーへの転換」の象徴といえるのが、静岡県に造る実験都市「ウーブン・シティ」だ。ところが、その内実を取材すると、将来の社長と目される豊田社長の長男が開発をリードしていることから、「(実験なのに)失敗できない」というプレッシャーがかかり、都市開発の実績があるコンサルティング会社頼みの開発が行われていることが分かった。未来都市開発の裏側に迫る。

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#5 2月16日(水)配信
打倒トヨタ!日本電産が買収を狙うEV半導体メーカーとは?因縁の元ルネサス幹部も招聘

絶頂トヨタの死角#5Photo:JIJI

 トヨタ自動車がEV(電気自動車)シフトを進めれば、真っ向からの対立が避けられないのが日本電産だ。すでに、エンジンを中心としたトヨタの系列部品メーカーは、EVの「心臓部」の覇権を巡って揺さぶりをかけられている。トヨタと日本電産の暗闘に迫る。

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#6 2月16日(水)配信
トヨタグループ社員の本音を暴露!章男社長に引退勧告!?、グループ内序列に息苦しさ…

絶頂トヨタの死角#6Photo:Nora Carol Photography/gettyimages

 日本の産業の屋台骨であるトヨタ自動車のエリート社員たちは、同社を従来の製造業から脱皮させようとしている豊田章男社長をどう思っているのか――。調べてみると、社員たちは驚くほど冷静に章男氏を“査定”していた。デンソー、アイシンなどを含むトヨタグループ内からの肉声をお届けする。

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#7 2月17日(木)配信
トヨタを「ソニーEV」が葬りかねない理由、iPhoneモデル再現なれば自動車業界は秩序崩壊

絶頂トヨタの死角#7Photo:Bloomberg/gettyimages

 満を持して、ソニーグループがEV(電気自動車)への参入を明らかにした。かつてスマートフォンで米アップルに負けて辛酸をなめてきたソニーが、今度はアップルの水平分業モデルを自動車業界で再現することで、存在感を示そうとしている。EVで快走する米テスラに続き、アップルもモビリティの覇権争いに名乗りを上げることは確実だ。トヨタと異業種参入者が火花を散らす「新たなモビリティ産業」の構図を解き明かす。

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#8 2月18日(金)配信
トヨタ“EV350万台”達成には電池が足りない理由、「絶頂トヨタの死角」は欧州にある

絶頂トヨタの死角#10Photo:123RF

 トヨタ自動車は「2030年にEV(電気自動車)350万台販売」に向けて車載電池の生産を拡大する。パナソニックから引き継いだ国内工場で一部増産に入っており、米国での現地生産に手を打った。世界では激しい電池争奪戦が繰り広げられており、これらの方策だけではトヨタの必要量に全く足りていないのが実情だ。トヨタの電池調達戦略の急所に迫る。

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#9 2月18日(金)配信
トヨタの下請け企業数で愛知が東京に歴史的敗北、猶予2年の「ケイレツ再編最終形」を大予想

絶頂トヨタの死角#9Photo:kevinjeon00/gettyimages

 トヨタ自動車と取引のある「下請け企業数」において、トヨタの城下町・愛知県が東京都に負けるという歴史的敗北を喫した。その背景には何があるのか。また、愛知経済の地盤沈下はトヨタ系サプライヤー“再編成”の起爆剤にもなり得る。愛知県で加速する「ケイレツ大再編」の最終形を大胆に予想する。

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#10 2月19日(土)配信
トヨタ社長に食い込む条件は「2つの苦悩」への理解、“章男人脈”による出資・提携の成果は?

絶頂トヨタの死角#10Photo:Bloomberg/gettyimages

 トヨタ自動車の豊田章男社長は、強力なリーダーシップで、他の自動車メーカーやIT企業などとの提携を次々と打ち出してきた。だが、トヨタの創業家出身という理由から学校でいじめられたり、社内で腫れ物に触るような扱いを受けたりした章男氏は元来、猜疑心が強い性格とみられる。他社との協業は、章男氏と提携先の経営者との信頼関係がなければ成果が出にくい。八方美人とやゆされることもあるトヨタによる “仲間づくり”の実態に迫る。

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#11 2月20日(日)配信
トヨタが韓国ポスコに鋼材の「乗り替え」画策、日本製鉄との訴訟を巡る最終対決全内幕

絶頂トヨタの死角#11Photo:AP/AFLO

 日本製鉄がトヨタ自動車と中国鉄鋼メーカーを提訴してから4カ月。水面下で、トヨタが日本製鉄から韓国ポスコへ鋼材取引の乗り換えを画策していたことが分かった。果たしてポスコはどう動いたのか。ポスコとの交渉の内実に迫るとともに、日本製鉄がトヨタに強気姿勢を貫く三つの根拠を解き明かす。

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#12 2月21日(月)配信
トヨタはなぜパナソニックを「見捨てた」のか、70年の蜜月・愛憎・破局の全経緯

絶頂トヨタの死角#12Photo:Bloomberg/gettyimages

 トヨタ自動車とパナソニックは約70年に及ぶ蜜月関係を築いてきたはずだった。だが2017年に車載電池で両社が提携した頃には、その関係は崩壊寸前にあった。華々しい提携会見の裏では何が起きていたのか。その内幕を明らかにする。

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#13 2月22日(火)配信
トヨタとデンソーのTSMC熊本工場への合流が遅れた裏事情、「ソニー優遇」を修正できるか

絶頂トヨタの死角#13Photo:SOPA Images/gettyimages

 デンソーは、台湾TSMCとソニーグループが合弁で国内に建設する半導体工場への出資を表明した。ただ、デンソー自身はTSMCとはほとんど取引がない。それにもかかわらず400億円もの出資をした背景には、トヨタ自動車の置かれた厳しい環境がある。

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#14 2月24日(木)配信
トヨタを支配する豊田家「最強のカラクリ」、グループ企業馴れ合いによる時代錯誤の統治

絶頂トヨタの死角#13Photo:Bloomberg/gettyimages

 歴史ある企業にとって「創業家と経営の在り方」は積年の課題である。創業家が経営幹部に就いてきたトヨタ自動車やパナソニックでも事あるごとに議論されてきたことだ。近年、トヨタでは創業家が経営への支配力を強めている。豊田家の持ち株比率はマイノリティー出資であるにもかかわらず、巨大組織を支配できるのはなぜなのか。

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Key Visual by Noriyo Shinoda, Kanako Onda

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