「地方移住・時々出社」で社会保険料が激増? 通勤手当がもたらす影響Photo:PIXTA

企業の顧問社労士として、数多くの労務問題を解決してきたカタリーナ。新たに始めたオンラインのよろず労務相談には、経営者・労働者を問わず、さまざまな相談者が訪れる。
本日の相談者は、家族で地方へ移住を検討しているというITエンジニアの男性(36)。ただ、出社も時々あるので悩んでいるというが……。

通勤手当が高いと損?

カタリーナ 「こんにちは! 社労士のカタリーナです。伊東克彦さんですね。今日はどんなご相談かしら?」

伊東 「今日は移住に関する相談で……。コロナ禍以降、在宅勤務が定着しました。新年度からは、日本全国どこからでもリモートワークが可能になるので、これを機に妻の実家がある仙台に移住しようかと考えているんです。娘もまだ3歳ですし、子育て支援も充実しているようなので」

カタリーナ 「まぁ、それは良い話じゃない。ヤフーも働く場所を自由に選べる『どこでもオフィス』を拡充し、交通費の片道上限をなくして飛行機通勤も認めるって話だし。何か問題でも?」

伊東 「それが、リモートワークでも、週1日は出社することになりそうなんです。通勤手当は月15万円の上限があるので、許容範囲なんですが。ただ、『通勤手当が高いと損をする』っていううわさを聞いたので、本当かどうか確かめたかったんです」

カタリーナ 「なるほど、そういうことね。確かに、普段は在宅勤務でも会社に出社して働く日が定められているような場合、交通費を通勤手当として会社が出してくれるなら報酬になる。つまり、社会保険の算定に含まれるから、給与から天引きされる社会保険料が相当増えることになるわね」

伊東 「やっぱり。損じゃないですか!」