定年まで働くなんて無理……生涯賃金2億円を株式投資で稼いでしまおう! そう決意した入社3年目、知識ゼロの状態から株式投資を始めた『割安成長株で2億円 実践テクニック100』の著者・現役サラリーマン投資家の弐億貯男氏。年間平均利回り30%で資産を増やし、当初の計画を前倒しで2億円達成! 忙しい会社員でも再現性が高い「100の実践ノウハウ」を徹底伝授!

【現役サラリーマンが株式投資で2.5億円】<br />定番の「株価指標」で見落としがちな<br />3つの落とし穴とは?Photo: Adobe Stock

PERを活用するとき
注意したい3つの落とし穴

割安成長株のPER(株価収益率)の目安は15倍以下(できれば10倍以下)ですが、なかには「こんなに良い銘柄なのに、なぜPER15倍以下なのだろう?」と思わずにはいられないものもあります。

そういう銘柄と出合ったときは購入を急がず、以下の3つのポイントをチェックするようにしています。これはPERを活用するとき、“思わぬ落とし穴”にハマらないための工夫でもあります。

❶ 今期の「純利益」見通しに「特別利益」が計上されていないか?
PERの算出対象となる「純利益」に、保有していた不動産の売却など、その企業の事業内容や本質的な価値とは関わりのない臨時的な「特別利益」が計上されていると、PERが一時的に割安になることがあります。

❷ 直近で株式分割を実施していないか?
直近で1株が2株に株式分割された場合、「1株あたり純利益」は2分の1になり、株価は分割が反映されて半値になるのですが、「会社四季報」や決算短信の当期1株あたりの純利益は情報が更新されておらず、それが反映されていないことがあります。

すると、「株価(1株)÷1株あたり純利益(1年)」で計算するPERは、本来は30倍にもかかわらず、15倍と割安に見えてしまいます。

❸ 直近で業績見通しの下方修正などの悪材料を発表していないか?
直近で業績見通しの下方修正を発表して株価が急落した場合、「会社四季報」や証券会社のシステムの「1株あたり純利益」の情報が更新前で、PER的に割安に見えることもあります。

実際は業績の下方修正で純利益が減少すると、当然ながら「1株あたり純利益」も減ります。そうなると、本当のPERは高くなりますから、注意が必要なのです。