定年まで働くなんて無理……生涯賃金2億円を株式投資で稼いでしまおう! そう決意した入社3年目、知識ゼロの状態から株式投資を始めた『割安成長株で2億円 実践テクニック100』の著者・現役サラリーマン投資家の弐億貯男氏。年間平均利回り30%で資産を増やし、当初の計画を前倒しで2億円達成! 忙しい会社員でも再現性が高い「100の実践ノウハウ」を徹底伝授!

【現役サラリーマンが株式投資で2.5億円】<br />「損切り」するかしないかで迷ったときの判断基準とは?Photo: Adobe Stock

ストーリーが崩れた銘柄で
ナンピン買いしない

自分なりの成長ストーリーを描き、割安成長株だと信じて買ったのに、その目論見が外れることもたくさんあります。これまでの長きにわたる投資家生活で、私も何度も経験しています。

もっとも多いのは、企業が業績予想の下方修正を発表して、購入価格よりも株価が大きく下がってしまうパターン。一時的な業績不振ではなく、この先も業績回復が望めないと考えてしまうと、熱が冷めて急速にその銘柄に対して無関心になっていきます。

ノーベル平和賞を受賞したマザー・テレサは、「愛の反対は憎しみではなく、無関心」という有名な言葉を残しました。割安成長株だと思っていた頃は愛があったのに、その期待が裏切られると無関心になり、興味を失って株価すら見なくなる。

そんな銘柄に限って、知らないうちに含み損が膨らみ、慌てて損切りに踏み切っても、多大な損失が出ることがあるのです。

成長ストーリーが崩れて無関心になった銘柄は、その時点で売り払って損切りするのがベストです。その後、株価が回復するケースもあるでしょうが、過ぎ去ったことはリセットして頭を切り替えるしかありません。

業績が一時的に下がったとしても、成長ストーリーが崩れておらず、いずれV字回復で業績も株価も戻ってくると思える銘柄もあります。そういう銘柄は無関心になるどころか、興味津々で株価の変化を見守り続けるでしょう。

そうした銘柄では「ナンピン買い」が有効なこともあります。これは、株価が下がった段階での買い増しで平均取得単価を下げる手法です。

3000円で100株買った銘柄が、20%下落して2400円に下がった段階で100株買い増すと、平均取得単価は2700円まで下がり、含み益が出る水準が下がります。

しかし、関心を失った銘柄では、株価が20%下がったからといってナンピン買いに走ってはいけません。傷口に塩を塗ることになる恐れがあります。