仕事や人間関係…しんどいことが多い、という人にぜひ読んでもらいたいのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」(わび著)だ。著者のわび氏は元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterを開始して2年半でフォロワーは12万人を突破、10万超えいいねを連発し、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。仕事・人間関係で生き抜く知恵が詰まった本書。今回は、発売を記念して特別に本文より一部抜粋、編集して紹介する。

「公務員、大企業の社員=安定」ではない? 転職して気づいた「本当の安定」とはPhoto: Adobe Stock

本当の安定とは「どこでも働けること」

よく「公務員になったり、大企業に入社すると安泰」と言われています。

公務員や大企業はめったなことではクビにならないし、給料が大幅に減ったりすることはありません。

そういった意味では安定しているのは間違いないです。

私もこの「安定」を信じて、自衛隊に忠誠を誓っていたし、辞める気は毛頭ありませんでした。

理由は簡単です。公務員になったり、大企業に入社したりすると得られる安定は、公務員や大企業の社員でい続けることで得られるものです。

どんなことがあってもしがみつかなければ、と思っていました。

激務やパワハラなどに見舞われることなく過ごすことができれば問題ないのですが、激務は「配属ガチャ」だし、パワハラも「上司ガチャ」と言われるように、運の要素が強めです。

運が悪ければ、安定のために耐えがたいことにひたすら耐えることになります。

私の場合は運悪く、「安定していたはずの人生」が激務とパワハラで簡単に壊れてしまいました。

私は一度人生が壊れたあと、転職してみて「本当の安定」に気づきました。

それは、いつでも転職できるように準備を整えておくことです。

「準備」とは、自分が持っている仕事の武器のレベル上げです。そして、その武器の魅力を発信し続けることです。

組織に依存することで得られる安定は、意外と弱いです。いつでも転職できる準備を整えること、どこでも働けることが、本当の安定なんです。