学び直し“裏技”大全#11Photo:PIXTA

学歴ロンダリングや資格取得は、あくまで自分をより高めるためのまっとうな方法だ。だが、これまでの自分を捨て去り、完全な「別人」として生きることはできるのか?答えはイエスだ。特集『資格・大学・大学院で自分の価値を上げる! 学び直し“裏ワザ”大全』(全11回)の最終回では、「方法は幾つもある」という裏社会の事情通に、決してまねしてはいけない、その手口とお値段を聞いた。(ライター 根本直樹)

社会の表と裏で成功した人物が語る
自分が複数の免許証とパスポートを所持できるワケ

 これまでの自分を捨て去り、完全な「別人」として生きることは可能だろうか?信じるも信じないも読者の判断に任せるが、その一端を裏社会の事情通に明かしてもらった。

「方法は幾つもある」――。

 そう語るのは、1990年代に密入国外国人の引き受け組織のリーダーとして財を成し、その後、金融や飲食などの企業グループのオーナーとして表の世界でも成功を収めたG氏(60代)だ。G氏はその筋の間ではよく知られる人物だ。

「最も代表的な方法が『なりすまし』。氏名など、それまでのアイデンティティーを捨て去って、実際に存在する別人に成り代わる。2000年代初頭までは、ホームレスに小遣いを渡して戸籍を取り、免許証などを取得する手口が通用した。だが、暴力団などがやり過ぎた結果、近頃はチェックが厳格化したので、実行するのはかなり困難になった」(G氏)

 相場は、暴力団員などがホームレスに支払う額が数万~10万円ほどの“小銭”レベル。片や、その戸籍が欲しい人には100万~200万円で売っていたという。

G氏G氏 Photo by Naoki Nemoto

 加えて、かつて横行した別の方法が、結婚と離婚、再婚を繰り返すことで姓を変える「戸籍ロンダリング」だ。

「こちらは借金を意図的に踏み倒すための古典的な手法。本来の自分名義でカネを借り、自己破産する。次に妻と離婚し、しばらくしたらその元妻の旧姓で再婚して、改めて妻となった女性の籍に入るという手口。合法的に別人となれる便利な方法だったが、こちらも最近は金融会社のチェックも厳しくなっているので、バレる可能性が高い」(同)

 そうした廃れつつある手口に代わり、現在よく使われているのが、「外国籍」の取得を利用した「国籍ロンダリング」ともいえるやり方なのだという。

 次ページでは、G氏が明かすその手口とお値段に加え、さらにびっくり仰天の別の手法を開陳する。そこには、一般人にはまねはもちろん、想像さえできないアンダーグラウンドな世界が広がっていた――。