「ニホン」と「ニッポン」、なぜ2つの読み方が存在するのか?Photo:PIXTA

「ニホン」と「ニッポン」、どちらが正しいのか。実は日本政府でさえ読み方を定めていない。言葉の専門家、山口謠司氏の新著『品がいい人は、言葉の選び方がうまい』からの抜粋で、2つの読み方がなぜ存在するのかについて解説する。

日本語を学ぶ外国人も混乱、
なぜ2つの言い方が存在するのか

 外国人が日本に来てしばらく滞在していると、「困った」と言い始めることがあります。漢字の読み方として「日本」をどう読めばいいのかわからない、というのです。

 ちょっと見渡しただけでも、「日本」という言葉はすぐに見つかりますね。

 福澤諭吉が印刷された一万円札には「Nippon(Ginko)」とあります。東京で地下鉄に乗って「日本橋」で降りると、「Nihombashi」と案内板に見えます。これが大阪に行くと「Nippombashi」。

「日本酒」は「ニホン(シュ)」、「日本航空」は「ニホン(コウクウ)」なのに「日本放送」は「ニッポン(ホウソウ)」、サッカーなどのスポーツでは「日本代表」を「ニッポン(ダイヒョウ)」と言います。

「なんですか、この差は?」と外国人から訊かれるのです。