混迷ウクライナ#6Photo:PIXTA

ロシアのウクライナ侵攻は金融市場も動揺させた。特集『混迷ウクライナ』の#6では、両国間の緊張状態が長期化した場合と早期に緩和した場合の株、為替の動きを予測する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

緊張長期化なら
日本株は比較的底堅い

「ロシアとウクライナの間の緊張が長期化し、資源高が継続すれば、主要国の中で日本株が最も底堅い」と大川智宏・智剣・ОskarグループCEO兼主席ストラテジストは言う。

 その根拠はこうだ。原油や天然ガスの価格高騰の影響で、物価上昇圧力をより強く受けるのは欧州。ECB(欧州中央銀行)は金融を引き締めざるを得ない。エネルギー自給率が9割を超える米国だが、資源価格高騰でインフレが加速し、やはり金利が上昇する。

 一方、日本は、原油高騰を受けても消費者物価は大きく上がりそうになく、日本銀行は超金融緩和を続ける。

 株価にとって金利上昇はマイナス材料。足元では、緊張緩和の期待で欧米株も反発を見せたが、資源価格が高止まりすれば、上値を抑えられるだろう。結果として、金利上昇幅が最も小さい日本株が底堅く推移するということになる。