米のロシア包囲網拒否、プーチン批判控える中東Photo:Anadolu Agency/gettyimages

 バイデン米政権は中東のパートナーに対し、ロシアとの戦いでウクライナに対する支持を表明し、経済的な影響を和らげるよう協力を求めている。だが、その成果はほとんど上がっていない。

 ペルシャ湾岸諸国からイスラエルまで、米国の同盟国やパートナーは目下、中立の立場を維持するか、ロシアへの批判を控えている。これは、中東でロシアの影響力が高まっていることを如実に物語る動きと言える。

 石油輸出国機構(OPEC)の盟主であるサウジアラビアはこれまで、高騰する原油価格の抑制に向けた米国の増産要請を拒否。米軍が駐留するアラブ首長国連邦(UAE)は、米国の働きかけにもかかわらず、ロシアのウクライナ侵攻を非難する国連安保理の決議案採決を棄権した。

 中東における米国の最も緊密な同盟国であるイスラエルでさえ、兵器やヘルメット・防弾ベストといった軍装備品の提供を求めるウクライナの要請を拒否している。ウクライナの駐イスラエル大使が明らかにした。イスラエルは公然とロシアに反対する姿勢を示せば、シリア領土内のイラン系武装勢力を標的として長らく続けている空爆に対して、シリア駐留のロシア軍が介入してくる恐れがあると警戒している。イスラエル当局者が明らかにした。