ロシア制裁で年7.1万円の家計負担増!?日本経済「ブーメラン効果」を独自試算総務省「家計調査」の21年の年間収入階級別の名目支出金額をベースに、22年に予想される食料・エネルギー価格の上昇に伴う支出増を、22年の負担増とみなして算出してみると?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

大規模ロシア制裁実施
経済への打撃を独自シミュレーション

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対し欧米諸国や日本が、国際決済網(SWIFT)からのロシア金融機関の締め出しやロシア中央銀行の外貨準備凍結、ハイテク製品の輸出規制、ロシア政府関係者や政権に近い実業家の資産凍結などの制裁措置を相次いで打ち出した。

 制裁対象に入らなかったエネルギー分野でも、英シェル、米エクソンモービルの石油大手がサハリンでの天然ガスプロジェクトからの撤退を表明、他産業でもロシア事業の撤退や生産・サービス停止の動きが広がっている。

 停戦協議は始まっているが、協議中もロシア軍の侵攻が続いている。仮に経済制裁が強化(例えばSWIFT遮断対象の拡大やエネルギー関連企業への制裁実施など)・長期化され、ロシアからの資源輸出が停止するような状況になれば、原油や穀物などの商品市況のさらなる高騰は避けられない。

 世界経済への負の影響はどのようなものになるのか。独自のシミュレーションで制裁の「ブーメラン効果」を試算した。