マレリ本社写真:朝日新聞社/時事通信フォト

3月7日、事業再生ADRを申請した自動車部品大手マレリホールディングスの第1回債権者会議が開催され、「マレリ再建劇場」が幕を開ける。再建の鍵を握るのは、多過ぎる利害関係者と借金の“調整”。特集『日産マレリ劇場、開幕』の#1ではマレリ劇場の登場人物と借金が増え過ぎた理由を解説するとともに、借金1.1兆円の銀行別内訳を明かす。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

コロナ禍でも債権者会議はリアルで開催
本日、「マレリ再建劇場」が幕を開ける

 3月7日午前11時から、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請した自動車部品大手マレリホールディングス(HD)の第1回債権者会議が、東京都内の某所で開催される。

 マレリHDの中核会社であるマレリ(旧カルソニックカンセイ)は、日産自動車の最重要サプライヤーだ。それだけに、マレリはもともと日産が株式の約4割を保有する日産の連結子会社だった。

 だが日産による部品の調達方針の変更に伴い、2017年に米投資会社KKRに全株式を売却されたことで、結果的に数奇な運命をたどることになった。

 業績は低迷し、20年12月期まで3期連続の赤字を計上。マレリHDの有利子負債合計は、いまや1.1兆円を超えている(20年12月時点)。

 マレリHDの再建に関わる利害関係者は、KKRや日産はもちろん、実に26行に上るとされる金融機関や、取引先など多岐にわたる。次ページでは、それら関係者の全容を図解で明らかにするとともに、借金1.1兆円の銀行別内訳を明らかにする。