感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />「生きづらさ」から逃れるたった1つの考え方イラスト:カツヤマケイコ

選択肢は絞るほうがいい

きょうのひとことは、
「“こうあるべき”を捨ててみよう」

自分で自分のことを縛りつける傾向のある人がいます。

なにかやろうとするときに「こうしなければいけない」というふうに考えがちな人です。

なにかと約束事をつくってしまって、客観的にみれば「そんなことはやらなくていいんじゃない?」ということをやってしまう傾向があったりします。

ただ、本人は無意識にやっていることだったりするので、その状況になかなか気づかないことが多いです。

ある開業医のお医者さんも、そんな傾向のある人でした。

患者さんがどんどん増えて、忙しくなって、毎日の診察がとても大変になっていました。

これでは一人ひとりの患者さんの診察も十分な時間をかけられなくなってしまうし、なにより忙しすぎるので、このままだと体がもたないから、もう少し負担を減らしたいと思うようになりました。

そこでアテクシに患者さんの数を減らしたいということを相談してきたわけです。

患者さんの数を減らすということは、当然、収入も減るわけです。そのお医者さんは、せっかく患者さんが増えたのだから、減らしたくないという考えから離れられませんでした。

患者さんを減らさなくては体がもたないという現実と、減らしたくないという思いは、両立しません。どちらかを選択して、どちらかを捨て、大きく舵を切るしかないのです。

こう話すと、至極シンプルで当たり前のことのように思うかもしれませんが、意外とこういう判断ができなくなっている人は多いです。

現状を維持しなくてはならない、というふうに思い込んでしまって、どんどんやることを増やして、目の前の課題を解決できないタイプです。

柔軟に考えてみれば、1つの選択肢をあきらめて、もう1つの選択肢に大きく舵を切ってもいいはずなんです。

そういう性格の傾向がある人というのは、自分に対して縛りをかける傾向があるから気をつけたほうがいいです。

あなたが今、なにか悩みを抱えているとしたら、一度、こう考えてみてください。

「こうしなければいけない」と自分に縛りをかけてしまっていて、頑張ってもどうにもならないことを成立させようとしていませんか?

自分がなにを優先させたいのかを明確にする必要があります。

なにかを優先させるために選択するということは、ほかの選択肢を捨てるということでもあります。

自分にとって不要なものはないかを見つめ直してみてください。自分にとって大事なものは、1つに絞って考えたほうがうまくいくんですね。

2つも3つも成立させようとすると、自分で自分を縛りつけることにもなりかねません。

そういう生きづらさから自分を解放するためにも、選択肢は絞るほうがよいでしょう。

きょうのひとことは、
「“こうあるべき”を捨ててみよう」
でした。

参考になったかしら?