名古屋大激変#5Photo by Akira Yamamoto

「公立王国」と呼ばれる愛知県で、私立志向が近年急速に高まっている。学費のリーズナブルさや立地の良さを追い風にして、中堅の中高一貫校を中心に私立陣営の勢力が拡大しているのだ。特集『名古屋大激変! 教育・マンション・産業』(全10回)の#5では、名古屋の高校・中高一貫校事情に迫る。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

名古屋で私立中高が人気に
公立王国で情勢変化の理由

 名古屋圏の受験事情に、静かな異変が起きている。「公立王国」と称されるほど公立志向が強いエリアだったが、近年、中学受験や高校選びで私立人気が高まっているのだ。

「これまで私立中高一貫校といえば、親が私立出身だからという理由で子供に受験させるパターンが多かった。だが最近は親の学歴によらず、私立を選択する家庭が増えた。中高一貫校ならではの教育体制の魅力が名古屋圏で浸透してきたということだろう」。日能研東海企画情報部の藤原康弘氏はそう指摘する。

 なぜ、名古屋で私立志向が高まっているのか。次ページでは名古屋ならではの理由に迫ると共に、どんな学校で人気が高まっているのかを紹介しよう。