わが子に最強の中高一貫校&小学校&塾#5Photo:PIXTA

激化する中学受験。直近2022年入試では、首都圏でとうとう過去最高の受験者数と受験率に達した。だが、これはまだ序の口だ。来年23年入試はもちろん、小学校への入学を控える幼児が中学受験を迎える頃まで中学受験熱が高まり続けるとみる塾関係者は少なくない。特集『わが子に最強の中高一貫校&小学校&塾』(全26回)の#5では、首都圏における中学受験の最新動向と共に、入試本番まで残り10カ月、受験生を抱える親に降り掛かる心理的危機とその克服法を伝授する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

激しさを増す子どもたちの
「椅子取りゲーム」の実情とは?

 首都圏の中学受験が、異次元の世界に突入した。

 直近2022年入試の首都圏の受験者数は、私立中学と国立中学を合わせて5万1100人だった(首都圏模試センター)。これは31年前の1991年(5万1000人)を上回り、史上最多の人数だ。当然、22年入試の受験率も高く、17.3%と初めて17%を突破した。

 公立中高一貫校の受験者を含めた日能研のデータでも、受験者数は6万2400人と前年から700人増え、受験率は21.1%に達した。受験者数・受験率共に09年に次ぐ過去2番目の水準となる。特に東京都の受験率は30.8%と、30%の大台を突破した前年をさらに0.2ポイント上回った。四谷大塚も22年の受験率は過去最高とみる。

 当然ながら、子どもたちの“椅子取りゲーム”は激化した。男子の合格率(総定員÷受験者総数)は22年入試で80%台前半にまで落ち込み、女子も合格率が急落して100%割れが迫っている。

 この椅子取りゲームは、来る23年入試ではどうなるのか?はたまた現在の小学校低学年の受験期にはどうなるのか?次ページからは、模試受験者のデータに基づく予測に加え、入試本番まで10カ月余りの間に現受験生の親を襲う心理的危機と対策を伝授。エリア別、学力レベル別、年齢別の動向もお伝えする。