「試合で勝ちたいけど練習はしたくない、どうしたらいいですか」 これが今の日本のDX写真はイメージです Photo:PIXTA

多くの日本人にとって“勤勉さ”とは、朝早く出社し、真面目に机に向かい、しっかり残業することだったのではないだろうか。しかしこれが原因で成果が出せない、躍進するアジア諸国に置いて行かれているのだとしたらどうだろう?(ノンフィクションライター 酒井真弓)

日本人の「勤勉」は飛鳥時代から変わっていない

 おそらく多くの日本人は、「日本人は勤勉だ」と聞いて育ってきた。飛鳥時代に制定されたとされる「憲法十七条」の第8条には、官吏、貴族の守るべき道徳的な訓戒としてこうある。

群臣・百寮(上級・下級の諸役人)は、朝早く出勤し遅く退勤しろ。公事はゆるがせにできないし、終日費やしても全部終わらせるのが難しい(ほど多い)。このように、朝遅く出勤しては急用に対処できないし、早く退勤しては仕事を処理し切れない。

 早出遅退。日本人の仕事への向き合い方は、この頃から変わっていないのかもしれない。

 一方で、2019年、パーソル総合研究所がアジア太平洋地域で実施した調査では、社外での学習や自己啓発について、日本は「特に何も行っていない」が46.3%に上り、他国に20%以上の差をつけて1位となった。片や中国、インド、東南アジアの新興国は「何も行っていない」が5%前後と意欲的な様子がうかがえる。

 勤勉とは、「頑張って早く出社し、真面目に机に向かい、しっかり残業する」ことだったのだろうか。コロナ禍でそんな思いが頭をかすめたエピソードがある。