「世の中をあっと言わせる企画を作りたい」「自分の夢を仕事で実現させたい」「ユーザーの気持ちがわからない」「企画書が通らない」「プロジェクトを成功させる方法が知りたい」など商品開発や新規事業を生み出す上でのあらゆる悩みを解決!
本連載の著者は「千に三つ」や「一生涯一ヒット」と言われる食品(飲料)業界において「氷結」「スプリングバレーブルワリー」「淡麗」「キリンフリー」など数々のヒット商品を生み出してきた和田徹氏。実は入社から12年間、ヒット商品ゼロだったという著者なぜ、失敗だらけだった人が、ヒット商品を量産できるようになったのか? 売れ続ける商品づくりの全技法を明かしたのが『商品はつくるな 市場をつくれ』(3月15日刊行)という書籍です。刊行を記念し、本書の一部を特別に公開します。

ずっと売れ続ける商品に共通する「最強の言葉」の法則とは?Photo: Adobe Stock

カテゴリーになる言葉、
カテゴリーを飛び越える言葉が最強

商品開発とは「言葉を開発すること」です。

世の中に変革を起こすことができる「たったひとつの言葉」を見つけることです。

「骨太な言葉」をとことん追求しましょう。できればその名詞が、いずれ「固有名詞化」する可能性の高い、ユニークでかつ人々に馴染みやすいものであればベストです。

その言葉にたどり着いたら、商品説明やキャッチコピーに活かすのはもちろん、理想的なのは商品のネーミング自体にその言葉を使ってしまうことです。

最も強いのは、それだけでカテゴリーをつくり、商品ジャンルの代名詞となる言葉です。

日清食品の「カップヌードル」がなければ、現在のカップ麵市場は存在しません。ご存じの通り、従来の袋入りのインスタントラーメンから飛躍して、新たな商品として世の中に登場した画期的な製品です。ファストフードのように立ったまま食べられる「カップヌードル」は、日本人の食習慣さえも変えました。累計販売食数500億個の超ロングセラーになるのも納得です。

他には「宅急便」「ウォシュレット」「バンドエイド」も同様です。

「○○みたいなやつ」「○○系のもの」と呼ばれる言葉を目指しましょう。

「カテゴリーまたぎ」も狙う

また、ひとつのカテゴリーだけでなく、いろいろな業界に当てはまり、置き換えられる言葉も意識しましょう。

その代表例が「オフ」。カットする意味での「糖質オフ」「カロリーオフ」をはじめこれをうたった商品が、健康意識の高まりとともにあらゆるお酒・飲料・食品ジャンルで増えています。「淡麗グリーンラベル」から広まった、ひとつの大きなカテゴリーといえます。ON・OFFや開放感という意味での「オフ気分」など情緒・気分に合った商品ジャンルへも波及しています。

最近の例では「スプリングバレーブルワリー」で国内に浸透・定着した「クラフトビール」から、他カテゴリーにどんどん広がっていった「クラフト」という言葉。

そして「癒し系」。これは「癒し系アイドル」「癒し系キャラ」「癒し系インテリア」など、癒し・リラックスを与えてくれそうな商品の代名詞となっている言葉です。そのうち飲料、食品などにも使われるようになり「癒し系ドリンク」や「癒し系アイス」も登場しました。

ある言葉がカテゴリーをまたいで、いろいろなところで使われるようになっていくと、大きな力を持ち始めます。そして、こうした言葉をよくよく見てみると、感覚や情緒に訴える要素を持っているという共通点があります。

オフ=安心、うれしい
クラフト=手間ひまかけた、ぬくもり、カラダと地球にやさしい
癒し系=気持ちがほっこりする、リラックスできる

言葉開発のヒントとして、こうしたメガトレンドやトレンドと共に幅広い市場に広がる可能性のある言葉や、感覚に訴える要素についても、ぜひ考えてみてください。

(本原稿は、和田徹著『商品はつくるな 市場をつくれ』を編集・抜粋したものです)