ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。大人の教養として世界の国々を知ろうと思った時におすすめ1冊が、新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

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ハンガリーはどんな国?

 東ヨーロッパ中央部に位置し、国土の中央部をドナウ川が流れ、ハンガリー平原が広がります。気候は大陸性で冬の寒さは厳しく、夏には20度を超える気温になります。

 スラブ系民族の多いこの地域にあって、東から移動してきたマジャール人が10世紀末にアジア系民族の王国を建てました。その後、オスマン帝国やハプスブルク家の支配を受けましたが、20世紀初めに独立しました。

 第二次世界大戦では枢軸国側で参戦し、戦後ソ連の占領を受けた後、ソ連の影響下で社会主義体制の人民共和国に移行。1956年に民主化を求めて起こったハンガリー事件はソ連の介入で鎮圧されました。

東ヨーロッパ民主化の先駆け

 早くから改革に積極的で、1989年には、西隣のオーストリア国境に設置されていた鉄条網を廃棄して東ヨーロッパ民主化の先駆けとなりました。NATOには1999年に、EUには2004年に加盟しています。

 国土の約5割が耕作地で、果実、野菜、麦類等の栽培のほか、畜産も盛んです。

 また、北部のドイツ、オーストリアに近い地域に工場が集積し、製造業では自動車関連が中心的な部門となっていますが、IT関連部門も伸びており、外国企業の進出でしだいに人手不足が顕在化してきています。

 スズキは、1991年に日本の自動車業界では初めて東ヨーロッパに進出し、マジャールスズキ社を設立しました。

ハンガリー

面積:9.3万㎦ 首都:ブダペスト
人口:972.8万 通貨:フォリント
言語:ハンガリー語(公用語)、英語、ドイツ語など
宗教:カトリック37.2%、カルヴァン主義11.6%
隣接:スロバキア、ウクライナ、ルーマニア、セルビア、クロアチア、スロベニア、オーストリア

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIAのThe World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)