いま、注目を集める研究会がある。わずか2年で約1000人規模へ拡大し、東大新入生の20人に1人が所属する超人気研究会に成長した、「東大金融研究会」だ。創設者は外資系ヘッジファンドに20年在籍し、超一流の投資家として活躍してきた伊藤潤一氏。東大金融研究会ではお金の不安から自由になり、真の安定を得るために「自分の頭で考える」ことを重視している。世の中に溢れる情報や他人の声に振り回されず何が正しいのかを自分で判断し、物事を本質的に理解し、論理的に思考を展開することで、自立した幸せな人生を歩むことができるからだ。本連載では、東大金融研究会の教えを1冊に凝縮した初の書籍『東大金融研究会のお金超講義』から抜粋。頭のいい人だけが知っている「お金の教養と人生戦略」を紹介する。

【東大生が投資のプロに学ぶお金の教養】自分が働く会社によって、投資する株を変えたほうがいい理由Photo:Adobe Stock

投資とは、人生のバランスをよくすること

あなたも、きっと株式投資にご関心があると思います。ここからは、株式投資について考えていきましょう。

とはいえ、具体的な銘柄や株の買い方を紹介するわけではありません。まずは、「株式投資の本質とは何か」をとらえることが重要です。

私は、株式投資とは「自分の代わりに投資先の会社に『働いて』もらうこと」だと考えています。投資した会社が儲かれば、それは最終的に株主のものになるからです。

仮にソフトバンクグループに投資すれば、創業者の孫正義さんと同じ「収益率」で運用できることになります。孫さんは保有額が2兆円(2022年1月時点)以上ありますから、投資資金が10万円や100万円程度では「収益額」は比べ物にならないほど小さくなりますが、パーセンテージとしては同じ。規模感が違うだけで、ソフトバンクグループからのリターンを味わうことはできるのです。

株式投資の意義は「お金に自分の生き方とは別の生き方をしてもらい、人生のバランスをよくできる」ことにあると思います。「これは!」という企業があれば、お金を預金に眠らせておくより、その企業に投資してお金に働いてもらったほうがいいでしょう。

たとえば、あなたが働いているのが小売業、出版業、外食産業、電力会社、ガス会社、不動産業など国内にビジネスの基盤を持つ会社だとしたら、日本の人口は確実に減少していくわけですから、20年後、30年後の明るい未来を思い描くのは難しいはずです。