感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />「同調圧力」との賢いつき合い方

同調圧力を上手に利用する人

きょうのひとことは、
「無理やり他人に合わせなくていい」

あなたは、自分の意に反して、他人に合わせてしまうことはありませんか?

自分とは意見が違う相手と調和を図るために自分の意見を曲げることは、ときに「協調性」という言葉でポジティブに解釈されますから、全否定されることではありません。

しかし、自分が納得していないのに、他人に無理やり同調することは、ちょっと問題です。

これまでにもたびたび、「納得して決めること」「納得して生きること」の大切さを説いてきましたが、他人に合わせるときも同じなのです。

他人に合わせようとするときは、おそらく相手が「自分に合わせて欲しい」という同調圧力がかかっていることが多いでしょう。

すると、その場の雰囲気に飲まれてしまって、本当は納得していないけれども、その場をおさめるために納得したつもりになって、相手に合わせてしまうということがあると思うんです。

同調圧力がかかって相手に合わせているという状況を認識すること自体、苦手な人もいますし、漠然とした自分の気持ちをはっきり言語化させることも苦手な人がいます。

そういう人が、その場の雰囲気に飲まれてしまうと、相手の意見に納得した気になってしまいがちです。

相手の意見に合わせないと対立することになったり、自分の意見が浮いてしまったりするのが嫌だという気持ちが先立って、本心では納得していないのに、つい相手に合わせてしまう。

アテクシ自身も、ついやってしまいがちなのですが、自分が納得していないのに相手に合わせてしまうと、後味が悪くてモヤモヤしたりイライラしたりして、後を引いてしまいます。

いったん相手に合わせて意思表示をしたら、前言撤回はしづらいですよね。もし前言撤回したら、優柔不断に思われたり、「だったら先にいってくれたらよかったのに」とかいわれたりするのが嫌だということも考えてしまいます。

だから、そもそも納得していないことを受け入れないほうがいいんです。では、どうすればいいのか?

まずできることは、自分が納得できないのであれば、その場で答えを出さないことです。

その場ではYesともNoともいわず、いったん持ち帰って考えてみることを相手に伝えて、その場で即答しないということです。

あとでちゃんと考えてみて、それでも相手に合わせたほうがいいと納得できるのであれば合わせればいいし、納得できないのであれば、間をおいて自分のなかのモヤモヤがすっきりした段階で相手に伝える。

いずれにしても、自分が「納得しているか」「納得できるか」を自分に問いかけてみることが大切なんですね。

納得感を得られないことを即答することは難しいです。だからこそ、即答せず、ちょっと間をおいてから答えるという選択肢を自分のなかに備えておくのです。

もし自分が納得していないのに相手に合わせて即答してしまった場合、これはちょっと嫌われてしまいかねないのですが、前言撤回して、思い切ってNoといってください。

なかには同調圧力をうまく利用して、その場の雰囲気で相手の意見をとり込むのが上手い人もいます。

そういう人は、無意識かもしれませんがその場の勢いやタイミングを上手く利用するのに長けていて、もし自分の意見にNoといったら、不機嫌そうな顔を見せておけば合わせてくれることを戦略的に利用するようなところもあったりします。

そもそも、相手を巻き込んで、なかば強制的に同意を求めようとすること自体、ちょっと問題なのですから、そういう人に対してNoといって嫌われたとしても、実はたいしたことはないでしょう。

その人と仲が悪くなるかもしれないし、その人から相手にされなくなるかもしれませんが、自分が納得していないことを同調して、ずっとモヤモヤするよりはマシです。

ちゃんとした人であれば、相手が納得していないことを感じとりますから、「いますぐでなくていいから考えておいて」とか「嫌だったらいいよ」「納得できなかったらいいよ」と配慮する姿勢をみせてくれるはずですからね。

きょうのひとことは、
「無理やり他人に合わせなくていい」
でした。

参考になったかしら?