「いきなり!ステーキ」の社内報はなぜ炎上したのか?本当に求められる接客とは「いきなり!ステーキ」の店舗 Photo:JIJI

「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスの社内報で、一瀬邦夫社長が社員に向けメッセージを発信した。その内容が報道され、SNSなどで「炎上」する事態になっている。これは、接客のあり方を問い直す事件といえるのではないだろうか。他社の事例も分析しながら、接客のあるべき姿を考えてみたい。(講演・研修セミナー講師、マーケティング・コンサルタント 新山勝利)

「いきなり!ステーキ」の社内報が炎上
社長が一部従業員を「ネガティヴ」と非難

「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスの社内報(2022年1月24日号)で、一瀬邦夫社長が社員に向けメッセージを発信した。その内容が報道され、SNSなどで「炎上」した。

 この社内報はウェブで公開されており、筆者も定期的に読んでいた。クレーム件数も書かれており、その削減に努めていたようだ。

 今回の社内報が、波紋を呼んでいる。1月24日号の「社長から皆さんへ」と題された文章では、一部の従業員を「ネガティヴ従業員」と名付けた上で、こう記されている。

「どうやらこのネガティヴ従業員によって大部分のクレームが起こっているようです。『店舗では作業するだけで給料をもらえると思うのは大間違いです。』」(太字は原文ママ)

 さらに、「ネガティヴな従業員をゆるすことは、到底できません」、「ネガティヴな人は、この社長の年初の言葉をきっかけとして『自己改革』してください」と強烈な批判を展開しているのだ。

 その上、同じページに掲載された「クレームゼロ憲章」の中で「再三にわたるクレームの当事者は、厳重な処分をします」と記載しており、「ネガティヴ」認定された従業員への厳罰が示唆されているのだ。

 この社長メッセージに対し、SNSでは賛同の声もあった一方、「クレームのあった従業員を『ネガティヴ』と決めつけている」、「経営側の責任を従業員に押し付けている」といった批判が相次いだ。

「いきなり!ステーキ」社内報問題の本質は?
店舗を取材してみると…

 ペッパーフードサービスの従業員の声も踏まえ、この社内報問題の本質について考えてみたい。