障がいのある子の放課後等デイサービス 自立支援に力を入れ、地元で信頼

――御社が運営している「放課後等デイサービス」とはどのようなサービスですか?

芝原 障がいのある小学生から高校生までのお子さまを、放課後や長期休暇中にお預かりするサービスです。

 2015年に創業し、「アルク」という名で、福岡市南区などで3カ所の施設を運営しています。現在は、発達障がいや軽度の知的障がいを持ったお子さまが60人ほど通われています。

――創業の経緯を教えてください。

芝原 成人の精神障がいをケアするには、子どもの頃が重要だと感じたからです。

 独立起業するまで、私は社会福祉法人の施設で、成人の精神障がい者の就労支援や生活支援などの仕事をしていました。その中で感じたのは、社会に出てから精神障がいを発症するのは、子どもの頃の障がいがベースにあること。就労トレーニングや生活マナーの習得など、自立するための「療育」を子どものときに受けていることも大切なのではないか、ということです。理想的な療育を実現するには自分たちで一から始めた方がいい、と考え、同僚2人と一緒に起業しました。

 このような経緯で開業しているので、アルクでは療育に力を入れています。

――具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?

芝原 創業当時からプログラムを組んで、発達や年代の違いに応じた療育を行っています。

障がいのある子の放課後等デイサービス 自立支援に力を入れ、地元で信頼代表取締役・芝原幸太氏(写真中央)。1974年生まれ。九州造形短期大学卒業後、家具メーカーや家業の建具店に勤務。放送大学にて心理学など履修。精神保健福祉士の資格取得後、精神科病院、社会福祉法人勤務。2015年に同僚と3人で3PLUSを設立。

 運営する三つの施設ですが、アルクは特別支援学校に通っているお子さま、アルク2号館は小学校高学年~高校生、アルクかすがは小学校の支援学級に通っているお子さま、と対象を分けていますが、それはお子さま一人一人に合った療育を行うためです。

 例えばアルクでは、創作活動や、箸を使う、衣服を畳むなどの生活動作訓練を中心とした生活力向上を目指した支援。アルクかすがでは、学習支援やコミュニケーション力の向上を目指した支援。アルク2号館では、卒業後の就労を見据えて、就労トレーニングやマナー講座、電車やバスなどを利用する練習を行っています。また、希望者には受験対策も行っています。

 その他にも、ご家族の要望に合わせて新しいプログラムを取り入れています。