コンサル大乱戦#8Photo:artparadigm/gettyimages

新卒・中途採用共に就職人気が高まっているコンサルティング業界。30歳前後になれば年収は1000万円に到達するも、「アラサーコンサル社員」たちのキャリアへの悩みは尽きないようだ。およそ10回にわたり公開予定の特集『勝ち組に死角!コンサル大乱戦』の#8では、取材で出会ったアラサーコンサル社員4人が、就職・転職事情や人手不足で過熱する引き抜きの実態を明かした。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

阿部氏:日系大手コンサル、新卒入社、20代後半女性
村山氏:ビッグ4コンサル、同業大手からの中途入社、30代前半男性
石井氏:日系大手コンサル、異業種からの中途入社、20代後半男性
笠井氏:外資系戦略コンサル、新卒入社、30代前半女性
(全て仮名)

新卒は総合商社滑り止めが多い
人手不足で「リファラル採用」強化中

 とかく高待遇に注目が集まるコンサル業界。30歳前後ともなれば年収1000万円を超える。DXバブルも背景に、業界の勢いは止まりそうにない。しかし、アラサーコンサル社員たちの抱える悩みは大きいようだ。今回は、外資と日系、新卒組と中途組など、境遇や立場の異なる4人のコンサル社員たちに、リアルな給料事情、転職の悩み、ライフプランなど同じ質問をぶつけ回答をまとめてみた。

【質問】
そもそも、なぜコンサルに就職しようと思ったのですか。

阿部(日系・20代後半女性・新卒)
 正直、新卒就活のときは、五大総合商社しか考えていなかったです。五大商社に集中するために、インターンなどの早期選考で内定が取れるコンサルを受けました。残念ながら、五大商社に縁はなかったのと、他に行きたい業界もなかったですし……。

村山(ビッグ4・30代前半男性・同業中途)
 私は五大商社全部に落ちてコンサルを選びました。特に新卒は五大商社に落ちて、コンサルに来る人は多い。まあ、給与はいいですし、何よりもつぶしが利くので将来のキャリアも広がりますしね。

石井(日系・20代後半男性・異業種中途)
 私は異業種からの転職です。前職では上司と全くかみ合わず辞めました。退社してから就職活動を始めたのですが、エージェント経由で突然話が舞い込んできましたね。まさかこんなキャリアになるとは自分でも思っていませんでしたよ(笑)。

 次ページ以降では、「引き抜き過熱の異常な実態」「爆増する紹介謝礼金」「異業種未経験から転職で待遇や出世に違いは?」「若手が出世できない問題とは何か」「人間はずっとコンサル業界にいられるのか」など、赤裸々に答えてもらった。