パウエル議長金融政策正常化に踏み出したFRBが今後、利上げを急速なペースで進めるとの予想が強まっている。しかし景気を冷やし過ぎるリスクが懸念されている Photo:Anadolu Agency/gettyimages

正常化に踏み出したFRB
「利上げ加速」の表明が相次ぐ

 3月16日にFRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の0.25%の引き上げ(利上げ)を決めた。

 その後、FRBの幹部からは利上げを加速させる考えが相次いで表明されており、金融市場の利上げ観測は一段と強められる方向にある。

 その結果、為替市場ではドル高円安の流れが強く後押しされている。28日には、米国との金利差が拡大するとの見方から、円が一時約6年7カ月ぶりに1ドル=125円台まで急落した。

 21日の講演でパウエルFRB議長は、先行き0.5%幅での利上げの可能性を示唆し、さらに5月の次回FOMCでは0.5%幅での利上げを行う可能性を排除しなかった。

 これを受けて、金融市場は5月のFOMCで0.5%の利上げが実施される可能性を一気に織り込んだ。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、その確率は約7割となった。

「利上げ加速」に死角はないのか。