東証の市場再編、不評でも「案外よくやった」と山崎元が考える理由再編後の新市場区分が描かれた東京証券取引所の東口玄関シート Photo:JIJI

東京証券取引所の市場再編が行われたが、投資家をはじめとする世間の評判は今ひとつのようだ。しかし、あえて異論を唱えよう。今回の市場再編にあって東証は、「案外よくやった」と評価したい。われわれは東証に多くを求めすぎているのではないだろうか。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

評判いまいちの東証の市場再編と
最上位「プライム市場」

 4月4日(月)から東京証券取引所が新しい市場区分の下に取引を開始した。これまで、東証1部、東証2部、マザーズ、ジャスダック(スタンダード、グロース)と4市場に区分されていたものが、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編された。

 すっきり整理できて好評を博しているかと思いきや、この市場再編の評判はいまひとつのようだ。例えば、QUICKが2月に行った市場関係者向けの調査(「QSS月次調査(株式)」2022年2月)によると、今回の市場再編が有効だと思うかという質問に対して、「あまり有効ではない」と「まったく有効ではない」という回答の合計比率が71%に達したという。

 ちなみに、経済誌「週刊東洋経済」4月9日号の特集タイトルは「東証沈没」であり、表紙には「市場改革『骨抜き』で投資マネー流出の危機」とある。

 不評の主な原因は、最上位の市場として位置づけられているプライム市場に魅力が感じられないからだろう。プライム市場の企業数が多すぎるというのが衆目の一致するところだ。