人生100年時代は、健康こそ最大の資産です。
しかし40歳を越えると、がん、糖尿病、腎臓病といった病気を避けては通れません。国立がん研究センターによれば、40~49歳のがん患者数は、30~39歳と比べると3倍以上です(2018年)。もちろん50代、60代と年齢を重ねるにつれ、がん患者数はどんどん増えていきます。
本連載は、毎日の食事から、大病を患ったあとのリハビリまで、病気の「予防」「早期発見」「再発予防」を学ぶものです。著者は、産業医×内科医の森勇磨氏。「予防医学ch/医師監修」の管理人でもあり、動画は「わかりやすい説明で参考になる」「怖いけど面白い」と評判で、チャンネル登録者は40万人を超えています。初の単著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を出版し、感染症医・神戸大学教授の岩田健太郎氏が「安心して読める健康の教科書」と推薦文を寄せています。森氏の寄稿記事を公開します。

【性行為の前に打つ】がん予防に効く「HPVワクチン」Photo: Adobe Stock

がん予防に効くHPVワクチンとは?

 2022年4月より、「HPVワクチンの積極的推奨」が再開されます。HPVとは「ヒトパピローマウイルス」という、主に性行為によって感染するウイルスのことです。

 子宮頸がんのおよそ95%の原因を占めるとされており、主に子宮頸がん予防として若い女性を中心にワクチンの接種が行われています。HPVは咽頭がんや陰茎がんの原因になることもあり、アメリカやイギリスでは男性にもワクチン接種が推奨されています。

 今後は厚生労働省が「HPVワクチンを打ったほうが良いですよ」という姿勢を明らかにして、予診票などがご家庭に届くようになります。

 これはかなりインパクトのある出来事で、世界各国のニュースでも取り上げられています。実は、日本ほど先進国の中で、HPVの予防接種が普及していない国は例がなかったためです。

 様々な報道の影響もあって、厚生労働省は2013年に「HPVワクチンの積極的勧奨の取り下げ」を行い、その後当時は70%だった定期接種率が0.6%と極端に低下していました。

 しかし世界では、92ヵ国もの国々でHPVワクチンは定期接種として行われていて、ある程度「打って当たり前のもの」と認識されています。実は、2015年にはWHO(世界保健機関)から日本は名指しで批判を受けております。