マスク氏のツイッター取締役就任 早わかりQ&APhoto:Pool/gettyimages

 米ツイッターは5日、米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同社取締役に就任することを発表した。その前日にはマスク氏が、ツイッター株の9.2%を取得したことを明らかにしていた。

 これまでマスク氏はツイッター上で8000万人超のフォロワーから注目を集め、同社のサービスについてさまざまな批判を繰り広げてきた。自身の事業に関する情報発信にもツイッターを頻繁に利用してきた。

 マスク氏は今回の出資が公表された数日前、新たなソーシャルメディアプラットフォームの創設を「真剣に検討している」と語っていたが、具体的には明らかにしていなかった。同氏は以前のツイートで、「民主主義が機能するためには言論の自由が不可欠だ」と述べ、投票機能を使って「ツイッターはこの原則に厳密に従っていると思うか」と質問。200万人以上の回答者のうち70%が「ノー」と答えた。

 ツイッターのパラグ・アグラワルCEOは5日、同社が数週間にわたってマスク氏と対話を重ねてきたことを明らかにした。ツイッターの共同創設者で、同社取締役でもあるジャック・ドーシー氏は、マスク氏を歓迎する意を示し、「彼はこの世界とその中でのツイッターの役割を深く気にかけている」とツイートした。

 マスク氏がツイッターでどのような変革を進めようとしているのか、自身の胸中にはあるとしても、具体的には明らかにされていない。ただ、彼が投資家として加わったことは、成長実現の難しさを幾度も経験しているツイッターに揺さぶりをかけるものになる。マスク氏の出資というサプライズで、ツイッターの4日の株価は27%高と、1日の上昇幅としては過去最大を記録。翌5日も約4%上伸した。