乃木坂46に衆議院議員も…… 議論を呼んでしまったエイプリルフール「ネタ」投稿写真はイメージです Photo:PIXTA

メーカーが「何それ?」と思うような新商品の告知をしたり、人気キャラクターがキャラ変したり…。4月1日には企業アカウントが「ネタ」を披露するのが近年のお約束となっている。けれど、これがきっかけで物議を醸してしまうことも増えている。(フリーライター 鎌田和歌)

乃木坂46がメンバー同士で「式を挙げました」

 エープリルフールといえば、インターネット上では企業の公式サイトやツイッターアカウントが趣向を凝らして「うそ」をつき、見た人はだまされたり、ネタとわかって面白がったりする。

 ネット上で企業がネタを仕込むというこのイベントは、2010年代から盛り上がってきた。しかし、何度か繰り返されるうちにやや飽きられ、そろそろネタも尽きてきた頃合いに見えた。最近のエープリルフールネタは、大きなバズとまではいかないものの、ファンとのコミュニケーションのツールとして、ささやかなイベントを楽しむ機会となっていたように感じる。

 しかし今年のエープリルフールについては、ややネガティブなかたちで話題となり、議論を呼んでしまった投稿もあった。

 議論を呼んだのは、乃木坂46のメンバーによる4月1日のインスタグラム投稿。白っぽい服装のメンバー2人が映った画像をアップし、「この度、友人の○○と式を挙げました #エイプリルフール」とコメントを添えた。投稿には13万件以上の「いいね!」が押されている。※○○は原文ではメンバーの実名。

「女性メンバー同士で式を挙げた」と報告することを、エープリルフールの「ネタ」としていると受け取れる内容だ。ファンの間では特に仲が良いと知られていたメンバー同士のようで、ほほえましいと受け取られる一方で、「同性愛のカミングアウトをネタにするのはどうなのか」という声が上がっている。

 乃木坂46のメンバーの投稿は同性愛嫌悪から来るものではないだろうし、「からかってよい」と思っているわけでもないだろう。そして今回の投稿を批判する人もいるが、そうではない別の視点を指摘する人もいて、多くの人が「自分の偏見」に向き合うきっかけになるかもしれない。一体どういうことか。