立憲民主と国民民主両党にとって、最大の支持団体である連合の会長、芳野友子は自民党の「人生100年時代戦略本部」の会合に出席するなど、自民党への接近ぶりが目立つ立憲民主と国民民主両党にとって、最大の支持団体である連合の会長、芳野友子は自民党の「人生100年時代戦略本部」の会合に出席するなど、自民党への接近ぶりが目立つ Photo:JIJI

「東京の街を歩いていても参院選の立候補予定者のポスターを見ることがない。こんな大型連休は初めてのことだ」

 数十年にわたって国政選挙に関わってきた自民党ベテラン秘書の呟きである。今年の参院選の投開票日は7月10日。残り2カ月を切った。普通なら大型連休は支持拡大の書き入れ時で選挙ムードが高まるタイミングでもある。それが永田町の関係者からも「本当に選挙があるんですか」との声が飛び出すほど低調だ。

 その背景には、メディアの報道姿勢があるのではないか。2月のロシアによるウクライナ侵攻以来、新聞・テレビのニュース報道はウクライナ情勢一色と言ってよかった。加えて、新型コロナウイルスの感染状況に、連休前に起きた北海道・知床半島沖の観光遊覧船の沈没事故。政治ニュースがあっても雑報扱い。首相の岸田文雄による東南アジア3カ国とイタリア、英国訪問もあったが、地味な扱いだった。この間に政治がどんどん遠くなった印象だ。選挙への関心が低くなるのも当たり前だろう。

 任期満了の衆院選挙を終えてまだ半年ということも大きい。最大の“戦力”である衆院議員に熱がない。「選挙疲れ」だ。そして参院選から緊張感を奪っているのが野党側の足並みの乱れである。参院選の勝敗を分けるのは全県で32ある1人区。この1人区を巡る野党側の「勝利の方程式」は候補者の一本化しかない。