35 CoCreation CEO 桜庭 理奈氏

戦略人事のスペシャリスト「35 CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)」がコーチングの専門会社としてリブランディングした。コーチングにフォーカスしたのは、VUCA(ブーカ)の時代、これまでの常識が通用しなくなり、経営者や管理職にとってはマネジメントの難しさが大きな課題になっているからだ。課題を解決するコーチングとは何か。どのような効果が期待できるのか。同社の桜庭理奈代表に聞いた。

35 CoCreation(サンゴ コ・クリエーション)CEO 桜庭 理奈氏
外資系企業数社にて戦略人事として活躍したのち、GEヘルスケア・ジャパンへ入社、人事本部長、執行役員を歴任。2020年に35 CoCreation合同会社を設立、現職。多様な業態や成長ステージにあるさまざまな企業において、コーチングというアプローチで人づくり・リーダーづくり・組織づくりのプロセスに寄り添い、伴走型で組織カルチャーの醸成を支援。経営者や人事担当者に向けた執筆や講義活動も多数。国際コーチング連盟認定コーチ。New Field認定コーチ。DiSC認定プラクティショナー。Leadership Circle Profile認定プラクティショナー。Hogan assessment認定プラクティショナー。

対話が希薄化する昨今、
マネジメントはどう変化すべきか

 サンゴ コ・クリエーションは、GEヘルスケア・ジャパンの人事本部長、執行役員として人事キャリアを積んできた桜庭理奈代表が2020年5月に創業。戦略人事のスペシャリストとして組織開発、人事コンサルティング、リーダーシップ人材の開発、育成プログラムの策定・立案・実施などの事業を展開してきた。

 創業から3期目に入った22年5月、同社は事業の軸足を移す。それは「コーチングを用いた対話による目標達成のソリューションの提供」だ。これまでの事業でも多くの実績を残してきた同社をコーチングの専門会社にリブランディングした理由を桜庭氏は「VUCA(ブーカ)」という表現を使ってこう説明する。

 VUCAとは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字で、企業を取り巻く環境が激変し、これまでの常識が通用しなくなった状態のことだ。

「先行きが不透明な時代である上に、テレワークなどの普及によって、上司と部下の対話が希薄になり、マネジメントの難しさが浮き彫りになってきました。今までの対話のやり方では共創が生まれず、組織が衰弱してしまう。また新時代のリーダーシップにはEQ(心の知能指数)が高いリーダーを育てる必要性を感じている企業は多いのです。でもどうしたら育てられるのか。その答えとなるのがコーチングなのです」