子どもの「学力・収入・人間関係」の成功率を高める、幼児教育より効く習慣とは写真はイメージです Photo:PIXTA

人生のどの時点において教育にお金をかけるのが効果的か?親ならきっと知りたいことなのではないでしょうか。幼児教育に力を入れると、成長したあとでどれくらい有効なのか。また、幼児期に読書習慣を身に付けた子どもは、成長したあと人生において「成功」できるのか?そんな実験の結果を紹介します。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

※本記事は『親が「これ」をするだけで、子どもの学力は上がる!』から抜粋・再編集したものです。

幼児教育は意味がない!?

「鉄は熱いうちに打て」と言うように、幼い頃の経験がその後の人生を大きく左右するというのは、昔からよく言われてきたことです。それは多くの人たちの人生経験から得られた知恵ですが、今では科学的にも実証されています。

 労働経済学に関する研究によってノーベル賞を受賞した経済学者ヘックマンは、人生のどの時点において教育にお金をかけるのが効果的かを探る研究を行いました。その結果、就学前における教育の投資効果が絶大であることを発見したのです。

 話を分かりやすくするために、簡略化して説明すると、3~4歳の子どもたちを2つのグループに分け、片方のみ幼稚園のような場に通わせて初歩的な幼児教育のプログラムや遊びを中心とした活動に従事させるということを2年間行いました。もう一方の子どもたちは、とくに何も教育的な介入を受けませんでした。