企業の「ドル保有」は円安・インフレの“採算悪化”リスクをどこまで防衛できるかPhoto:PIXTA

円安140円近くまではいくが
値上げは通りにくい

 3月上旬からドル円レートは、1ドル116円前後から130円半ばへと、ごく短期間で大きく変化した。輸入物価は、4~6月はこの円安要因でさらに押し上げられるだろう。

 6月に0.75%の大幅利上げをした米国のFRB(連邦準備制度理事会)の利上げ機会は今後、7月、9月、11月、12月と年内4回もあり、消費者物価の上昇ペースが鈍化しなければ、タカ派姿勢は続くだろう。

 米長期金利が上昇するから、ドル円レートもそれに応じてドル買い・円売りへと動かされていく。

 今後、1ドル140円近くまでの円安は十分に視野に入っている。

 企業は輸入物価上昇など仕入れコスト増による採算悪化を補う「防衛策」を考える時期だ。