ダイヤモンド決算報#不動産Photo:PIXTA

コロナ禍が落ち着き始めたことで、市況も少しずつ回復しつつある。しかしビジネス界では、コロナショックから立ち直った企業と不調から抜け出せない企業とで明暗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は三菱地所、三井不動産などの「不動産」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

野村不動産HDが
前年同期比で約4割の増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の不動産業界5社。対象期間は22年1~3月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・三菱地所
 増収率:3.5%(四半期の営業収益4449億円)
・三井不動産
 増収率:17.5%(四半期の売上高6340億円)
・住友不動産
 増収率:6.8%(四半期の売上高2260億円)
・野村不動産ホールディングス
 増収率:37.0%(四半期の売上高2840億円)
・東急不動産ホールディングス
 増収率:12.6%(四半期の売上高3549億円)

※5社とも収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 不動産業界の主要5社全て、新型コロナウイルス感染拡大からの回復の影響を受けていて、前年同期比で増収となった。特に野村不動産ホールディングスがダントツで約4割の大幅増収だった。この要因は何だったのか。

 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、野村不動産ホールディングスの増収要因について解説する。

 また、今回取り上げた5社の多くが、22年3月期通期決算の売上高や各種の利益指標で最高値をたたき出した。「過去最高ラッシュ」の状況も次ページでチェックしてほしい。