量子レース#2Photo by Masato Kato

量子コンピューターの国際会議「Q2B Tokyo」が7月13~14日に日本で初開催された。なぜ東京での開催を決めたのか。量子コンピューターの実用的なアプリケーションはいつ登場し、有力な注目プレーヤーはどの企業か。特集『号砲! 量子レース』(全8回)の#2では、Q2B主催者の米量子ベンチャー、QC Wareのマット・ジョンソンCEO(最高経営責任者)を直撃し、量子コンピューター業界の最新事情を解説してもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

東京はアジアの量子開発の震源地
これからも国際会議を毎年開催

――量子コンピューターの国際会議「Q2B Tokyo」が日本で初開催されました。会議を始めたきっかけはなんでしょうか。

 われわれがQ2Bを初開催したのは2017年。Q2Bの名前の由来は、量子(Quantum)をビジネス(Business)につなげるという意味で、会議の基本テーマでもあります。IBMやグーグル(アルファベット)、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなどの量子コンピューターを作る企業と、将来量子コンピューターを利用する世界中の企業が集まる場です。

 15~16年ごろのことですが、量子コンピューターの開発者側とユーザー側に大きなギャップがあることに気付きました。そこで、この二つのコミュニティーを集める場があれば、アプリケーションや実用的なユースケースの開発に集中できると考えたのです。17年から始めた会議は本当にうまくいきました。参加者も年々増え続け、最初は256人でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン開催となった20年には1000人を超えました。

 Q2Bを通じ、量子コンピューターはグローバルな産業であるとわれわれは再認識しました。そこで世界に目を向け、量子コンピューターの技術開発の震源地となるようなハブの場はどこかと考えると、アジアでは日本の東京で、欧州ではフランスのパリです。アジア地域で初開催となるQ2B Tokyoは、これからも毎年開催します。また、来年はパリでもQ2Bを開催する計画です。

 Q2B Tokyoの当初の参加者数の目標は250人でしたが、登録者数は350人と、コロナ禍による会場のキャパシティーの上限に達しました。全ての会議の目的は、テクノロジーを生み出す人と、利用する人という二つのコミュニティーをつなげることです。

――過去のQ2Bでは、グーグルで量子超越を達成したジョン・マルティネス教授や大企業の幹部など大物が登壇しています。なぜQ2Bはここまで成功できたのですか。

 量子技術に関する会議は他にもありますが、大半は科学的な研究に焦点を置いています。一方、Q2Bは実用化をテーマにし、この分野で最大の会議になりました。量子コンピューターの分野で著名な科学者であるジョン・プレスキル氏やジョン・マルティネス氏などは、自ら開発したものを世界の主流にするという展望があり、Q2Bはそれを多くの聴衆と共有できる良い機会なのです。われわれはその場を提供しているのです。

――参加者は何を目的にQ2Bに出席するのでしょうか。