【ひろゆきが語る】カルト団体と政治家の関係性が切りたくても切れないワケひろゆき氏(撮影:榊智朗)

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、人生の原点をマジメに語っている。この記事では、世間で話題になっている「政治とカルト団体の関係性」について、ひろゆき氏に聞いてみた。(構成:種岡 健)

「政治家の発言」に注目しよう

 自民党と「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の関係性について、関わりをもっていた議員が多数いることが、いま、問題になっています。

 どの党のどの議員が、どういう発言をしていて、どこまで関係性を認めているのか……。

「自分とは無関係だ」とスルーするのではなく、この機会に、あなた自身も「注視」しておくべき問題だと思います。

 なぜなら、日本のお金が海外に流出している大問題だからです。

続出する被害

 旧統一教会は、韓国に年間に約200億円を送金しています。

 ちなみにこれは、日本での振り込め詐欺の被害額と同じくらいの金額です。

 それらのお金は、信者たちから搾り取ったお金です。

 ある「元・二世信者」の女性は、無職の男性と結婚させられて、DVを受けた末、借金をしてまでお金を搾り取られ、自己破産をしています。

 このような被害が、多数、明るみになっています。

 僕が思うのは、この機会に、日本が良くなる方向にしたほうがいいということです。

なぜ、関係性が切れないのか?

 なぜ、自民党の議員と旧統一教会が結びついたのでしょうか。

 最初の関係は、選挙運動をボランティアで手伝ってくれたことです。選挙活動は運動員の数が制限されています。

 そんな中で、旧統一教会のボランティアの人たちは、1日12時間以上も働いてくれるそうです。

 もし、今回の問題で自民党と旧統一教会の関係が切れたとしましょう。それだけでは問題は解決されないと僕は考えています。

 なぜなら、他の党と旧統一教会が組む可能性があるからです。野党に労働力を手渡してしまうことになります。だから、自民党も「関係を切ります」とは表立って言えません。ちなみに、現段階で「参政党」と「NHK党」は「旧統一教会と組まない」とは宣言していません。

 なので、ただ関係を切るだけでなく、教団の影響力を小さくしないといけないと思います。

「お返し文化」をしないために

 では、どうすればいいのでしょうか。

 日本人は「お返し」をする文化があります。

 お歳暮やお中元をされたら贈り返すし、年賀状も返事を出します。サービスを受けたら、お返しをします。

 先ほどの問題を思い出してください。最初の入口は、「旧統一教会の人たちがボランティアをしてくれた」ということでした。

 最初は、見返りを求めずに手伝ったわけです。

 そして、その後、「教団のイベントに出てほしい」「名前だけでも貸してほしい」というお願いをしてきたわけです。

 そこで、日本人の「お返し文化」が発揮されてしまいました。

 政治家の人たちが、宗教団体のイベントに出てしまったり、広告塔に利用されたりしてしまったのです。

 彼らに選挙活動を手伝ってもらったとしても、「それはそれだ」と考えないといけなかったはずです。

 とはいえ、政治家は、実際に会うと「いい人」が多いのです。だから、お世話になった人たちに「はい、喜んで!」と、協力してしまうのでしょう。

 さて、こういった手口が明るみになったので、これを世間的に知ってもらわないと、同じことを繰り返します。

 とはいえ、少しずつしかメディアもインフルエンサーも取り上げないので、影響力を持っている人にはどんどん賛同してもらいたいのですが、みなさんはどのように考えますかね?

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、45万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。