「ああすればよかった」の反省だけでは不十分、仕事の後悔を減らす鉄則とはPhoto:PIXTA

7月8日、安倍晋三元首相が銃撃され、亡くなった。さまざまな報道を見聞きし、「あのときこうなっていれば」「こうしていれば」という思いを抱いた人も多いのではないか。ビジネス活動の中でも、「ああ言わなければよかった」「なぜあの一言を言ってしまったのか」と、後悔の念に駆られることは多い。後悔してしまうような言動を減らすためには、どうすればいいのだろうか。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

「ああすればよかった」
日々の後悔をなくすためにできること

 安倍元首相が銃撃により亡くなったことに、モヤモヤ感を拭い去れない人が多いようだ。毎日のように言動を見聞きしていた人の喪失、憲政史上最長の期間首相を務めた国を代表する人が暗殺された衝撃、世界一安全で平和だと思っていた日本で手製の銃がいとも簡単に使われてしまった不安が、いたたまれない気持ちの根底にあるように思う。

 加えて、多くの人が感じている、「あの時こうなっていたら」「こうしていれば」という後悔の念が、モヤモヤ感を増幅しているように思える。「もし銃弾がそれていたら」「後方が遮られた場所だったら」「容疑者に職務質問できていれば」「1発目の銃撃の後、元首相を防護できていれば」……という悔やみだ。

 今回のニュースに限らず、日々仕事をする上でも、「後悔の念」に駆られることは少なくないだろう。「あの時、こう言っていればよかった」「こう言わなければよかった」「こうしていれば」「こうしていなければ」――むしろ、後悔の連続だと思う人もいるかもしれない。

 もちろん後から訂正できるものもあるが、過去を変えることはできないので、言ってしまった、やってしまったという事実は歴然として残る。そうした後悔してしまうような言動を、未然に防ぐことはできないだろうか。

 実はスキル訓練により、後悔するような言動を減らすことは可能である。