ライフPhoto:Diamond

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の食品スーパー編だ。

ライフ、マルエツ、いなげや、Olympic…
唯一の「勝ち組」は?

食品スーパーの主要4社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ライフ(ライフコーポレーション)の既存店売上高
 4月度:前年同月比98.7%(1.3%減)
 5月度:同95.3%(4.7%減)
 6月度:同98.2%(1.8%減)

◯マルエツ(ユナイテッド・スーパーマーケットホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 4月度:前年同月比95.8%(4.2%減)
 5月度:同91.8%(8.2%減)
 6月度:同94.5%(5.5%減)

◯いなげやの既存店売上高
 4月度:前年同月比96.8%(3.2%減)
 5月度:同93.4%(6.6%減)
 6月度:同94.4%(5.6%減)

◯Olympic(オリンピック)の既存店_食品売上高
 4月度:前年同月比94.9%(5.1%減)
 5月度:同88.5%(11.5%減)
 6月度:同89.4%(10.6%減)

 新型コロナウイルス禍で在宅勤務が増加し、自宅で調理済みの食品を食べる「中食」や自炊のニーズが高まった。その影響で食品スーパーは「コロナ特需」を受けた、数少ない業界として知られている。

 そんな食品スーパー業界各社だが、各社の6月度の業績では、90%台に落ち込んだライフ、マルエツ、いなげやと、それを下回って80%台に沈んだOlympicの間に差が見える。それでも全社が前年割れ状態という状況だ。

 ただ実は、各社の業績を分析すると「勝ち組」企業が1社だけある。逆に言えば、「コロナ禍の勝ち組」と呼ばれてきたこの業界の中でも、残りの3社は負け組に脱落し、分断されつつある。

 唯一の「勝ち組」食品スーパーはどこなのか。次のページで詳しく解説しよう。