JALとANAPhoto:PIXTA

コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4〜6月度の航空編だ。

ANA・JALの「惨状」続く
国際線の旅客数が5倍超に増加も実態は?

航空の主要2社が発表した4〜6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ANA国際線(ANAホールディングス〈HD〉)の旅客人数
 4月度:前年同月比519.6%(419.6%増)
 5月度:同546.1%(446.1%増)
 6月度:同502.3%(402.3%増)

◯ANA国内線(ANAHD)の旅客人数
 4月度:前年同月比161.4%(61.4%増)
 5月度:同234.3%(134.3%増)
 6月度:同233.2%(133.2%増)

◯JAL国際線(日本航空)の旅客人数
 4月度:前年同月比425.2%(325.2%増)
 5月度:同474.9%(374.9%増)
 6月度:同550.2%(450.2%増)

◯JAL国内線(日本航空)の旅客人数
 4月度:前年同月比173.0%(73.0%増)
 5月度:同258.4%(158.4%増)
 6月度:同255.8%(155.8%増)

 6月において、ANA・JAL2社の国際線の旅客人数は前年実績を大幅に超えた。ANAは前年同月比502.3%(402.3%増)と、前年実績の5.2倍以上。JALも同550.2%(450.2%増)と、前年実績の5.5倍以上だった。

 しかし、これは新型コロナウイルス禍による落ち込みからの反動増の影響が大きく、航空業界を取り巻く環境は依然として厳しい。次ページでは、2社の惨状が今も続いていることが分かる実態値を確認しよう。