大手マンションデベロッパー、コスモスイニシアのグループ会社であるコスモスモアはオフィス移転、総務代行を担う。グループ内で培った経験とノウハウを基に、アウトソーシングとファシリティの両輪で拠点数、従業員数の多い大企業を中心にサービスを展開している。年間900件を超えるプロジェクトマネジメント、リノベーションを統括する小川陽平取締役に聞いた。

コンシェルジュ的視点で
潜在ニーズを引き出す

小川陽平 取締役

 オフィス移転というと、設計やデザイン、実際の引っ越し作業を連想することが多いが、移転プロジェクトの前後までを含め、コスモスモア取締役の小川陽平氏は次のように俯瞰する。

「移転に関わる事業には、大きくわけて4つの領域があると思います。

 移転業務をスポットで受注する『プロジェクト請負』、プロジェクト全般を一元管理する『コンサルティング』、幅広い『総務業務のアウトソーシング』、オフィスコンシェルジュ的な『ファシリティマネジメント』。プロジェクトの請負にもコンサルティングにも自信がありますが、当社の特徴が現れるのは、総務業務のアウトソーシング、そしてファシリティマネジメントだと思います」(図参照)

 ポイントは潜在ニーズ。代表電話、受付業務、福利厚生受付の代行だけでなく、クライアント企業に常駐することで、総務全般をサポートしながら、経営課題の洗い出しが可能になるという。たとえば、会議室の稼働率データを毎日収集、分析しておけば、レイアウト変更や移転の際、具体的な数字を示しながら必要な面積を提案できる。

 拠点数が多い企業の場合、不動産の更新時期を本社の総務がすべて把握するのは大変だ。同社では、土地、建物の坪単価を調査し、更新すべきか移転すべきかの判断材料も提案。コンシェルジュ的にサポートしながら、潜在ニーズを引き出す。常駐サービスは他社にない視点だ。